知の遺産

第13回 十二月あそび
京の1年を彩る
折々の風習(あそび)
東海大学付属図書館蔵

2016年6月1日掲出

「十二月あそび」は江戸時代初期(17世紀)に成立、本学付属図書館所蔵のものは江戸時代中期(18世紀)制作と推定され、天地32㎝の巻子2軸である。綺麗な色彩と丁寧な描写が特徴で、江戸時代初期の京風俗がよくわかる。都の年中行事を描いたものは古くからあるが、17世紀後半になって絵巻形式が流行した。

 内容は、当時の京都における年中行事や遊びを月ごとに描いており、例えば、1月は正月、4月は藤の花見、7月は盂蘭盆会の踊り、10月は紅葉狩、12月は年越しなどである。

 掲載の場面には、5月端午の節句が描かれている。本来は菖蒲やヨモギで邪気や疫病を祓う風習であったが、「ショウブ」が「尚武」に通じることから、武家男児の成長を祝う日に変化した。なお、現代において端午の節句で飾られる鯉のぼりは本資料成立以降に町人層で広まった風習であるため、図中で家々の軒先に飾られているのは、旗差し物や武具である。

文・付属図書館

関連リンク:東海大学付属図書館
http://www.time.u-tokai.ac.jp/

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