知の遺産

第15回 十番切
曽我兄弟の仇討ちを描いた軍記物語絵巻
東海大学付属図書館蔵

2016年12月1日掲出

 本資料は鎌倉時代末期から室町時代前期にかけて成立した軍記物語「曽我物語」のうち、十番切の段を絵巻に仕立てたものである。

 伊豆国の武将、河津祐泰の子であった曽我祐成と時致の兄弟は、所領争いから父を殺害した工藤祐経への仇討ちを誓い、十八年後に富士の裾野で祐経を討ち果たす。仇討ちを遂げるまでの兄弟の苦難や、兄の祐成と大磯宿の遊女虎御前の悲恋が共感を集め、日本三大仇討ち物語の一つとして人々に広く受け入れられた。

 源頼朝が征夷大将軍としての権威を広く示すために行った狩猟、富士の巻狩に随行していた祐経を夜討ちした兄弟が、頼朝配下の武者十人と次々に戦った。それを指して十番切と呼ぶ。九人までは切り伏せたものの、十人目の新田忠常に祐成は討たれ、時致は生け捕りとなって処刑される。

 闇夜の中、必死に戦う武者の姿が躍動感溢れる筆致で描かれた迫力ある絵巻である。

文・付属図書館

関連リンク:東海大学付属図書館
http://www.time.u-tokai.ac.jp/

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