知の遺産

第16回 大黒舞
おめでたづくしの縁起物語
東海大学付属図書館蔵

2017年1月16日掲出

 室町時代末期〜江戸時代初期頃の成立と見られる御伽草子「大黒舞(だいこくまい)」を奈良絵本に仕立てたもの。

 御伽草子は、享保(1716〜1736)頃、大坂の渋川清右衛門(本屋)が「御伽文庫」の名で23編を出版したもので、のちに年代の近い短編物語の総称となった。この御伽草子を主な題材とした彩色絵入りの写本が奈良絵本である。豪華な装丁で嫁入り道具として揃えられることも多かったため、「嫁入り本」の名もある。

 大黒舞は、大悦物語ともいわれ、貧しいが親孝行者の大悦の助が、両親を思い清水観音に祈ったところ、夢でお告げを受け、藁しべを拾ったことから始まる立身出世の物語。清水観音利生と福神信仰の二重構造となっており、子孫繁栄・富貴栄華をもたらすめでたい祝儀物語である。

 この場面には、七福神である大黒天が家に来訪し、門を叩くのは鬼達であろうから、豆を炒って投げ、追い払うようにと伝えている様子が描かれている。

文・付属図書館

関連リンク:東海大学付属図書館
http://www.time.u-tokai.ac.jp/

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