知の遺産

第17回 万国人物図
海の向こうの異邦人に思いをはせる人物絵巻物
東海大学付属図書館蔵

2017年5月15日掲出

 「万国人物図」は、江戸中期の天文学者・西川如見(にしかわじょけん)が著した「四十二国人物図説」を基に、江戸後期の長崎の町絵師・城義隣(じょうぎりん)によって、描かれた彩色絵巻。アジアをはじめ、ロシアやヨーロッパ、アフリカ、南北アメリカなどの人種や想像上の小人・長人まで、さまざまな人々が色鮮やかに描かれている。

 基本的に男女一人ずつが対に並べられ、傍らにはそれぞれの国名やその国の特徴を表す短い説明文が付されている。

 ここで紹介するのは、右から阿蘭陀オランダ人、百児齊亜ハルシャ(ペルシア、現在のイラン)人、度爾格トルコ人。

「四十二国人物図説」は、日本最初の人種図譜として、幕末に至るまで日本人の世界観に大きな影響を与え、「万国人物図」だけでなく「海外人物輯」など、この種の人種図譜の基本となった。

 これらの作品が、外国との交流がほとんどなかった江戸時代に、人々の興味を広げ、知識を深める役割を果たしていたことが伺える。

文・付属図書館

関連リンク:東海大学付属図書館
https://library.time.u-tokai.ac.jp/

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