チャレンジセンターで培う人間力大塚所長に聞く

 東海大学が06年にスタートさせた「チャレンジセンター」。社会で活躍できる有為な人材育成を目指し、学生のさまざまな活動をサポートしている。ソーラーカーレースの世界大会で優勝するチームや、東日本大震災の被災地に応急公民館などを作る活動をしているチームなど、各方面で学生が活躍している。「チャレンジセンター」の概要を大塚滋所長に聞いた。【毎日新聞社デジタルメディア局 銅崎順子】

--チャレンジセンターについて紹介してください。

 大きく二つの機能があります。一つは、「集い力入門」「プロジェクト入門」などの科目を開講して教育を行うこと。もう一つは、学生が企画立案したプロジェクトに対して支援をするチャレンジプロジェクトです。この二つを柱に学生教育を担っています。大学はこれまで社会に出て即戦力となる学生を必ずしも育てきれていなかった。学生自身が考えて作り上げるプロジェクトを通して社会で活躍できる有為な人材を育成する。一言で言えば学生の人間力の養成が目的です。


チャレンジセンター 大塚滋所長

 この人間力ですが、チャレンジセンターとして三つの力を指標としました。「集い力」「挑み力」「成し遂げ力」です。「集い力」はコミュニケーション能力です。東海大学は総合大学ですので、文系、理系、芸術系など多様な学生がいます。一つのプロジェクトは50人以上の学生を集めることを条件としているので、この多様な学生をまとめ、お互いに尊重しあい、プロジェクトを進めなくてはいけません。自ずとコミュニケーション能力が高められます。「挑み力」は一人では困難なプロジェクトを、複数の仲間で構想し、計画をたてる能力です。「成し遂げ力」は、工程管理しつつプロジェクトの目的を社会との関わりの中で達成させる力です。社会に出たとき、多様な人間と一つのプロジェクトを進めるのに役立つ、社会人としての基礎的な力と理解しています。経済産業省の研究班が提案した「社会人基礎力」というものがありますが、それとほぼ重なる考えです。チャレンジセンターの設立は時代の要請でもあったと考えています。

 「集い力」の要素でもある、50人以上の仲間を集めるという条件ですが、当初は学内から「多過ぎるのでは」と反発も受けましたが、学生は集めてきました。我々が学生の力をみくびっていたようです。やりたいことがあれば困難を乗り越えていきます。

--当初の計画通りに進んでいますか。

 参加する学生数としては、まだまだ途上です。今年度はチャレンジプロジェクト全体では千数百人が参加していますが、それ以上に増やすことに苦戦しています。しかし、三つの力を身に付けた学生が育っているという手応えはあります。チャレンジセンター科目受講者は延べ2000人以上になりますので、こうした科目を受講した学生が新プロジェクトを立ち上げたり、プロジェクトに参加した学生がプロジェクト実践科目を受講したりという双方向の流れをより活性化する工夫をしていくつもりです。

◆2011年度春学期チャレンジセンター開講科目(湘南キャンパス)

  • 集い力(入門)
  • 集い力(演習A)
  • 集い力(演習B)
  • 挑み力(入門)
  • 挑み力(演習A)
  • 挑み力(演習B)
  • 成し遂げ力(入門)
  • 成し遂げ力(演習A)
  • 成し遂げ力(演習B)
  • プロジェクト入門A
  • プロジェクト入門B
  • プロジェクト入門C
  • プロジェクト実践A
  • プロジェクト実践C
 

--科目やプロジェクトの活動は、卒業単位になるのですか。

 科目は単位となりますが、プロジェクト活動はなりません。当初、単位化することも検討したのですが、学生に聞いてみると「いらない」という声が多かったのです。「単位が欲しいだけの学生が来ても迷惑」「単位が欲しくて活動するわけじゃない」と言うんですね。

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