人に有用な新しい作物を作り出す 命をサポートする学びの場に

松田靖准教授

--ヤーコンの特徴は。

松田 ヤーコンの主成分は、腸内細菌の活性化に役立つフラクトオリゴ糖で、さらに抗酸化作用のあるポリフェノールもたっぷり含んでいます。そのためダイエットや便秘の改善、糖尿病の治療に役立つという報告もあり、新しい機能性食材としての研究も始めています。その反面、ヤーコンは貯蔵がききにくいので、フラクトオリゴ糖を濃縮したシロップなどの加工食品の開発なども手がけています。

--東海大学農学部の特色についてお話しください。

村田 本学創立者の松前重義博士が「研究室に地元の農家の方々が土足で出入りできる農学部を目指す」という理想を掲げたように地域連携と実学重視が特徴のキャンパスです。その理想を実現するために、開学当初より先進的な県下の農家70〜80軒の協力を得て、「東海大学モニター農家」制度をスタートし、現在も学生の受け入れ、共同研究などを通じて地域貢献を進めています。

 また、地域の方々に開かれた大学として、チーズ作りやブルーベリーのジャム作りの講座を開く「エクステンションセンター講座」も地元の方々に好評をいただいています。

村田達郎教授(右)と松田靖准教授

--卒業後の進路と学生の特徴は。

松田 卒業後の進路は食品関係のメーカーに進む学生が多いようです。職種としては食品開発や品質管理に携わるケースが多いですね。学生は地元の熊本県出身者が4分の1です。半分は九州外の出身者で、全国各地から学生が集まり、地域色が豊かというのが特色です。実学尊重をうたい、各学科で特徴ある実験実習を行っていますが、学生気質は素直でこつこつとやるというところでしょうか。

--学生さんにメッセージをお願いします。

村田 今の学生さんには、実体験が乏しいので、ぜひ阿蘇の大自然の中で実験・実習を通して、さまざまな体験をしてほしいと思います。そしてその中で、私たちが生きているということは「他の生き物の命をいただいているのだ」ということを感じ取って、「命の尊さ」を学び取ってほしいと思っています。

東海大学 農学部 応用植物科学科教授
村田 達郎(むらた たつろう)
1952年熊本県生まれ。76年鹿児島大学農学部農学科卒業。78年同大学大学院農学研究科修士課程修了。89年農学博士(京都大学)学位取得。89年〜90年英ケンブリッジ植物科学研究所研究員。96年から九州東海大学農学部教授、2010年から東海大学農学部長、総合農学研究所所長、14年から大学院農学研究科長。専門は植物育種学。サツマイモ、ヤーコン、日本シバ、イチゴなどを材料に品種改良の研究を行い,現在までにイチゴ1品種(品種名:ひまつり),日本シバ7品種(品種名:クサセンリなど)を新品種として農林水産省に登録。著書に最新バイオテクノロジー全書(農業図書)、植物育種学実験法(朝倉書店)など。

東海大学 農学部 応用植物科学科准教授
松田 靖(まつだ やすし)
1967年福岡県生まれ。宮崎大学大学院農学研究科修士課程修了。博士(農学)(鹿児島大学大学院連合農学研究科)学位取得。

オピニオンの一覧