1. トップ
  2. 東海イズムトップ
  3. ベストティーチャー

ベストティーチャー

「ベストティーチャーの授業の秘密」1 経営学の立場から観光学を学ぶ〜ケーススタディで企業を学ぶ中で 就職活動の不安も解消〜 東海大学観光学部観光学科 立原繁 教授

2012年5月15日掲出

 東海大学では、教育力向上に向けた組織的な取組(FD)の一環として、学生による授業評価を実施しており、学生からの評価が高かった教員を「東海大学Teaching Award」として毎年表彰しています。

 今回は2010年度に受賞した観光学部観光学科の立原繁教授に、授業構成にあたっての創意工夫や学生と接する際のポイントなどを聞きました。

授業を行う上で、最も気を使われている点は?

 私の専門は経営学です。大学院を修了後、東海大学に助手として採用されてから二十数年間、政治経済学部経営学科で教員を務め、昨年の観光学部開設と同時に同学部の所属となりました。

 観光学部の学生の中には、「経営学」という言葉の響きだけで、難しそうだと尻込みしてしまう者も少なくありません。観光学部に入ってくる学生は、自分がそれまで経験してきた旅行やレジャーなどの記憶から、学びの分野においても楽しく華やかなイメージを持っている場合が多いので、経営という言葉を敬遠するのは仕方のないことでもあります。

 しかし私は、観光学を体系的に学ぶ上で、経営学は非常に重要だと考えています。観光学が最も進んでいるアメリカ・コーネル大学の観光学では、約7割の科目が経営学関連です。本学の観光学部では「現代文明論2」の授業を教員全員で担当していますが、私が担当している時間には、「観光学にとっていかに経営学が大切か」「経営学の上に観光が成り立っている」という話をし、経営学をベースにホスピタリティや世界遺産、歴史や街づくりを学ぶことが大切であると解説しています。

 ただし、経営学には難しい専門用語も多く、わかりづらいことも確かです。授業を構成する際にはなるべく学生の目線に立ち、できるだけ身近な話にブレイクダウンして、わかりやすく話すよう心がけています。

学生を惹きつけるポイントは?

 私が最も神経を使うのは授業の冒頭です。まずその日の授業がその科目の中でどういった位置づけになるのかを話し、その上で、その日の授業の重要なポイントを話しておきます。当該授業の目的と、聞いてほしい大切なポイントを最初に話してから授業を始めることで、学生はより授業の中身を理解しやすくなっているのではないでしょうか。

 また、経営に関する科目はたくさんありますが、基本的に経営学は、企業活動に関係する学問です。現在、学生の重要な関心事はやはり就職です。企業の話をする場合には、さまざまな業種の企業が求める人材像や社内での人材教育、待遇面など、学生が知りたい事、興味を持っていることを必ず話すようにしています。

 私の授業スタイルは極めてスタンダードかもしれません。最初に目的とポイントを話し、重要な部分は板書をして、学生にもノートをとらせます。また、頻繁に小レポートを課して学生の理解度を確認し、次の授業にフィードバックしていきます。長い教員生活の中で、パワーポイントを使うなど試行錯誤を繰り返してきましたが、結局はこのスタイルに落ち着きました。伝えたい事がたくさんあるため、早口になってしまうこともありますが、なるべくゆっくりと話すようにし、早口になってしまった時にはもう一度繰り返すよう心がけています。

今後の課題と抱負について

 経営学にはケーススタディが不可欠です。しかし観光分野で、ある程度の事業規模があり、ケーススタディとして引用できる企業の数は限られています。またそうした企業は、そのまま観光学部の学生が希望する就職先でもあるわけです。ケーススタディでは企業の良いところも悪いところも細かく分析し、指摘していきます。実際に企業名を出してこうした分析を行うことが、果たして良いのかどうか、学生の夢を壊すことになるのではないかといった部分は非常に気になるところです。しかし我々には、具体的な企業名を出し、その会社がどのような行動を取っているのかをきちんと学生に紹介する責任もあります。その中で学生が不安に感じることをできるだけ解消していきたいと考えています。

 観光学部は設置3年目になり、今年度は1期生が就職活動に入ります。現在は受験生からの人気も高く、学生募集も順調ですが、1期生の就職活動の結果が、今後の観光学部の学生募集の明暗を分ける大きな鍵になると思います。「東海大学の観光学部に入りたい」と思ってもらえるよう、日々の教育だけでなく学生の就職活動についても、教員が一丸となって支援をしていきたいと考えています。

関連リンク:観光学部
http://www.u-tokai.ac.jp/undergraduate/tourism/index.html

ベストティーチャーの一覧