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ベストティーチャー

「ベストティーチャーの授業の秘密(6)」対象は誰か、何を話すのか、効果的に伝わっているか〜具体的な事例が惹きつけるポイント〜東海大学工学部航空宇宙学科航空操縦学専攻 柴田啓二教授

2013年6月3日掲出

 東海大学では、教育力向上に向けた組織的な取組(FD)の一環として、学生による授業評価を実施しており、学生からの評価が高かった教員を「東海大学Teaching Award」として毎年表彰しています。

 今回は2011年度に受賞した工学部航空宇宙学科航空操縦学専攻の柴田啓二教授に、授業構成にあたっての創意工夫や学生と接する際のポイントなどを聞きました。

授業を行う上で、工夫されている点は?

 私は航空宇宙学科航空操縦学専攻の学生が履修する「航空力学」「航空推進装置」「無線工学」「航空基礎実験」などの授業のほか、航空宇宙学専攻の学生が主に履修する「航空機システム工学」の授業を担当しています。これらの授業を構成する上で重要だと考えているのは、①「対象は誰か」②「何を話すのか」③「効果的に伝わっているか」――の3点に概ね集約されます。

 授業構成にあたってはまず、誰に教えるのか、その対象を明確にすることから始めます。具体的には、履修している学生の年次や専攻、知識の量、興味関心などをしっかりと把握するようにしています。例えば、1年次生と4年次生では知っている専門用語の数が全く異なります。航空操縦学専攻の場合、4年次生であればノースダコタ大学(UND)での留学も終え、ほとんどが事業用操縦士免許も取得済みですので、専門用語を多用しても何ら問題はありません。しかし1年次生には理解できない言葉ばかりですので、その場合には平易な言葉に置き換えて話すことが必要です。

 次に考えるのが、その授業の中でどんな内容の話をするのかについてです。授業には必ず目的があります。それぞれの授業ごとの目的、そして科目全体の目的がありますので、その目的を達成するのに値する内容の話ができているか、常に振り返りながら授業を進めています。

 そして最後のポイントが「効果的に伝わっているか」、つまり自分が話している内容が学生たちにしっかりと理解されているかを常に意識するということです。私の授業は主にパワーポイントを活用して進めていきますが、パワーポイントの場合、授業が早く進み過ぎてしまうことがあります。そのため、要所では板書も活用したり、意識的にスピードを落としたりしながら学生の理解度を確認するようにしています。また、授業では、映像教材を見せて視覚的な刺激を与えるなど、さまざまな手法を組み合わせて、学生の理解度を高めるよう工夫しています。

学生を授業にひきつけるポイントは?

 私は2010年度に東海大学の教員として採用されるまでは、全日本空輸(ANA)に36年間勤務し、運航技術向上のための調査・研究や新型飛行機の性能評価などを行ってきました。教員になってからまだ3年目ですので、自分の授業に、学生を惹きつけるようなこれといったポイントがあるとは思っていませんが、もし、学生がおもしろがってくれているとすれば、私が民間企業にいた期間が長いため、リアルな事例をたくさん持っていて、それを授業の中に織り交ぜて話していることぐらいではないでしょうか。

 私は授業で、学生に唯一厳しく言っていることがあります。それは「私語を慎む」ということ。一生懸命学ぼうとしている周りの学生に迷惑をかける私語は厳禁です。一方、授業中に居眠りをする学生に対しては、いびきをかいて周りに迷惑をかけない限り、寛容に扱っています。しかし、航空操縦学専攻はUND留学前に取得すべき資格も多く、学生にとっては非常にハードな専攻であると言えます。学生には「時間を有効に使うには、なるべく授業の中で覚えてしまいなさい。授業時間を無駄にするのは損だ」と伝えています。パイロットになるという強い目的意識を持った学生ばかりですので、いつも居眠りをしているような学生はいません。

今後の課題と抱負について

 課題は授業の改善に尽きると思います。教員になってまだ日が浅いため、科目によっては、その年に初めて受け持つものも出てきます。一コマの授業を行うにも、何日もかけて必死で授業準備をし、授業が終わるたびに「これで良かったのか」「学生にはしっかり伝わっているか」と毎回自問自答を繰り返し、次の授業に生かすよう心がけています。学生によっては、授業でわかりづらかった部分を指摘してくれますので、非常に参考になっています。こうした学生の声や授業中の顔、様子を見ながら、常に改良を加え、より良い授業を目指していきたいと考えています。

関連リンク:工学部航空宇宙学科航空操縦学専攻
http://www.u-tokai.ac.jp/undergraduate/engineering/aviation/index.html

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