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ベストティーチャー

授業の秘密(17)
実践的な指導力の基礎を培う授業づくり
〜思考力・判断力・表現力を鍛える機会を多く取り入れた学生参加型の授業〜
課程資格教育センター教育学研究室 鈴木正行教授

2015年8月3日掲出

 東海大学では、教育力向上に向けた組織的な取組(FD)の一環として、学生による授業評価を実施しており、学生からの評価が高かった教員を「東海大学Teaching Award」として毎年表彰しています。

 今回は2013年度に受賞した課程資格教育センター教育学研究室の鈴木正行教授に、授業構成にあたっての創意工夫や学生と接する際のポイントなどを聞きました。

 ※身分は、受賞対象となった13年度のものを表記しています。

授業を行う上で、工夫されている点は?

 私は中学・高校の教員免許取得を目指す学生に対して「教職論」「生徒指導論」「特別活動論」といった科目を担当しています。これらは教職に関する基礎的な内容を教える科目であることから、知識注入型の単調な授業になりがちです。そこで、思考力・判断力・表現力を鍛える機会を多く取り入れた学生参加型の授業を行い、実践的な指導力の基礎を培う授業づくりを行っています。

 その一例が、発問→挙手→指名→回答のパターンを重視した授業展開です。ここでの工夫は、事前に学生証番号と氏名を書いた手作りのネームプレートの活用にあります。学生は授業中このプレートを必ず机上に立てておき、私の発問に対して挙手・回答した場合はプレートに日付と回数を記入してもらいます。授業展開のどの場面でどんな発問をするのかを予め練っておきますが、この発問のための教材研究には多くの時間を割きます。このプレートは、学生が欠席した日付を私が記入し、いつ、何回欠席したのかを共有できるような活用もしています。

 また、中・高校生のさまざまな活動場面でどのような指導や対応をするのが適切かを考える「場面指導」では、グループディスカッションも取り入れています。まずはグループ内の一人ひとりが自分で考え、そして他者の意見を聞き、それを受け入れた上でもう一度自分で考える。こうしてそれぞれが思考する時間を十分に取った後で私が講義を行うと、学生の学びが格段に深まります。

 そのほか、工夫をしていることは、学生の板書体験です。学生たちはいずれ教育実習に赴いて板書をするわけですが、板書には慣れも必要ですので、その練習も兼ねて、授業内で回答や自分の考えを板書させる機会を多く設けています。

学生を授業に惹きつけるポイントや学生と接する際に気を付けている点は?

 教職を目指す学生が対象ですので、私の授業全体が模範となるよう、情熱を持って、明るく元気に授業を行うことを第一に心がけています。1年次生へのアンケートで、教職に対して強い希望や憧れを持っている学生は30%に過ぎないことがわかりました。「とりあえず」や「勧められたから」といった回答が大半で、教職を進路として選択するかどうか迷っている学生も大勢いるのが実情です。そうした学生に目標を持たせ、モチベーションを高めるため、私自身の体験談や教職のすばらしさ、喜び、厳しさなどを授業の合間に伝えるようにしています。また、私の教職ゼミを選択している4年次生をゲストスピーカーとして招き、教育実習の苦労話や教員採用試験の体験談などを話してもらっています。こうした先輩の話は大きな刺激になっているようです。

 学生と接する際には、自尊心を傷つけないよう気を配ることも大切です。回答が間違っていたり、板書した漢字の書き順が違っていたりした場合、その場で注意をしますが、その際「誰もが間違える可能性があるし、みんなが覚えていた方が良い」という具合に丁寧に話してから間違いを正すようにしています。

 昨今、自分に自信を持てない学生が増えているように感じます。教員採用試験の面接練習をすると、短所は言えても長所を答えられない学生が多い。教職を目指す上で、自分に自信を持つことはとても大事です。人は褒められることで自信を持ちますので、私は授業外も含め積極的に学生を褒めるようにしています。

 また、最初のガイダンス時に学生と約束するのがいくつかの授業規律です。私語の禁止は当然ですが、遅刻は3回までと厳しいルールも定めています。教員は人を育てる職業です。学生が教職に就いた時、怠惰による遅刻は許されません。こうした心構えが必要であることを説明すると、学生も納得してくれるようです。

今後の課題と抱負について

 東海大学ではここ数年、教員採用試験の合格率が大きく伸びてきています。これは課程資格教育センターだけでなく、学科の先生方をはじめとする大学全体の教職員の皆さんの努力の賜物です。合格率が上がることは教職を希望する学生やその保護者のニーズに応えることであり、ひいては東海大学のステイタスを上げることにもつながります。この大学には,ぜひ教員になって欲しいと思われるダイヤモンドの原石のような学生がたくさんいます。教職を目指す学生が一人でも多く夢をかなえることができるよう私自身も勉強を続け、教職員の皆さんと協力し合って教員養成に取組んでいきたいと考えています。

関連リンク:課程資格教育センター 教育学研究室
http://www.u-tokai.ac.jp/about/research/facilities/professional_license_training_center/research_office_for_pedagogy/

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