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ベストティーチャー

授業の秘密(19)
“伝わる”授業をつくる
〜「規律」「情熱」「ユーモア」を心がけ、学生の反応も毎回確認〜
経営学部経営学科 田中靖久講師

2015年12月25日掲出

 東海大学では、教育力向上に向けた組織的な取組(FD)の一環として、学生による授業評価を実施しており、学生からの評価が高かった教員を「東海大学Teaching Award」として毎年表彰しています。

 今回は2013年度に受賞した経営学部経営学科の田中靖久講師に、授業構成にあたっての創意工夫や学生と接する際のポイントなどを聞きました。

※身分は、受賞対象となった13年度のものを表記しています。

授業を行う上で、工夫されている点は?

 私は、「規律」「情熱」「ユーモア」を心がけて授業に臨んでいます。まずは「規律」。時間を厳守させ、1分でも遅れれば「遅刻だ!」と厳しく伝えます。また、当然ながら真剣に授業を聞きたい学生の邪魔をしないよう、私語も禁止です。次に「情熱」。これは熱意と言ってもよいかもしれません。授業の準備段階で、これだけは学生に伝えようという項目を毎回必ず3つ用意し、授業の最初から最後まで自分の中でその3つを確認しながら授業を進めています。この3つがしっかり伝わったかどうかを毎回学生に書いてもらっている「ミニッツペーパー」で確認し、十分には伝わっていないようであれば、次の授業で復習を兼ねてもう一度説明し、知識としての定着を図ります。そして「ユーモア」。冗談を言うのではなく、学生が「おもしろかった」「ためになった」と思えること、また学生の視点では気付きづらい多角的なものの見方を、学生たちにもわかるよう身近な例やユーモアを交えながら話すようにしています。

 私は東海大学体育学部の卒業生です。学生時代、多くの素晴らしい先生方に出会い、大きな影響を受けました。昔から教員になることを夢見ていた私は、授業の中で、自分が教員になってから役立ちそうなフレーズをいつもノートに記すようにしていました。そのノートは今も活用しています。特に印象的だったエピソードを紹介します。現体育学部長の今村修(いまむら おさむ)教授が当時の授業で、「教員が授業をする上で大切なのは『授業研究』と『教える力』と『熱意』。このうち、最も大切なものは何か」と問われました。学生だった私は少し考えて「熱意」と答えました。すると今村教授は、「間違った内容をそれなりの教え方で熱意を持って伝えてしまったら、間違ったまま覚えてしまう。最も大事なのは『授業研究』で、よく吟味した正しい内容の授業をすることだ」とおっしゃられました。まずは授業の内容が重要であり、その内容を伝えるために教え方や熱意が大切なのだととらえ、授業研究は怠らないよう心がけています。

学生を授業に惹きつけるポイントや学生と接する際に気を付けている点は?

 授業が単調だと学生はすぐに飽きてしまいます。そこで、前回の復習をする時間、視聴覚教材を見たり資料を読んだりする時間、私の話を聞く時間、自分で考えて文章にまとめる時間といった具合に授業を分割し、学生の集中力を保つようにしています。

 また、私は声が大きいせいか、学生からは「聞き取りやすい」と言ってもらえることが多いのですが、大きな声で滑らかに話すよりも、そうでない方が伝わる場合もあります。例えば「熊本市内を流れる白川の〜」と言うよりも、「ほら、何だっけ、あそこの川」のように、あえて学生に考えさせる時間を意図的に作ると、双方向の授業になります。また、声の強弱も大事です。以前、今村教授から言われたのが、「声を張っているようでは二流。声を張らなくても聞きたいと思わせるように話すのが一流だ」という言葉。これに倣い、「聞こえる」ではなく、「耳を傾けてもらえる」よう、時にはあえて小さな声で早口で説明し、こちらに注目させてからもう一度ゆっくり説明するなどの工夫もしています。そのほか、休日などは積極的に学外の講演会などにも足を延ばし、話し方の参考にしています。

今後の課題と抱負について

 経営学部には非常に多様な学生が入学してきます。私が今回こうした賞をいただけたのは、最も多い学力レベルの層に合わせた授業を行ったからではないかととらえています。しかし、この層に属さない学生には不満もあるはずです。そこで学生たちには、「決して評価を落とすようなことはしないので、ミニッツペーパーには不安や不満もどんどん書いて欲しい」と伝えています。レベルの高い学生からは、「この部分の話をもっと深く聞きたかった」などの意見が寄せられることもありますので、そうした場合は次の授業でフォローしています。入学してくる学生の性質は毎年異なり、雰囲気も変わります。その時々でどうすれば一番良い授業ができるのか。これを常に考え続けながら、より良い授業づくりに取組んでいきたいと考えています。

関連リンク:経営学部経営学科
hhttp://www.u-tokai.ac.jp/academics/undergraduate/business_administration/department_of_business_administration/

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