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男子400リレー 磨いたバトン技術で銀獲得 

陸上男子400メートルリレー決勝、第3走者の桐生祥秀(奥右)からケンブリッジ飛鳥(手前中央)へのバトンリレー。右はジャマイカの第4走者ウサイン・ボルト=リオデジャネイロの五輪スタジアムで2016年8月19日、梅村直承撮影

 アンカーのケンブリッジ飛鳥がバトンを受けたとき「五輪は最後」と公言している世界最速のウサイン・ボルトの真横に並んだ。ボルトが懸命に逃げる。日本が3連覇を狙う王者ジャマイカを追いかける夢のような光景が広がった。惜しくも2着。もう一つの陸上大国・米国には先着した(米国は失格)。電光掲示板で順位を確認すると、ケンブリッジと第3走者の桐生祥秀が抱き合い、ありったけの感情を爆発させた。日本が陸上男子400メートルリレーで2008年北京五輪の銅メダル以来8年ぶりのメダル、それも史上初の「銀」に輝いた。

 個人能力で劣ってきた日本はこれまで、バトンパスの技術に活路を求めてきた。受け取る側が手のひらを下に向け、渡す側が下から上へバトンを入れる「アンダーハンドパス」。受ける走者の腕が走る姿勢に近く、スピードに乗った状態でバトンをもらえるため、走力差を補える技術だ。

 一方、14年に五輪や世界選手権の出場権が懸かる「世界リレー大会」が新設され、近年は陸上王国ジャマイカや欧州勢などもバトン練習に力を入れ始めた。日本陸連の苅部俊二・男子短距離部長は「日本が得意とするバトンパスだけでは通用しなくなる時期が来た」と打ち明ける。優位性は失われようとしていた。

 だが、日本は別の道で進化を見せた。今大会、ケンブリッジと第1走者の山県亮太が日本勢で史上初めて同時に100メートルで準決勝へ進んだ。日本歴代2位の10秒01の記録を持つ第3走者の桐生もいる。第2走者の飯塚翔太も200メートルで世界選手権の準決勝に進んだ経験がある。過去の日本になかった「個」の輝き。桐生が13年に10秒01を出して以降、日本勢初の「9秒台」に関心が高まり、選手も我先にとしのぎを削って全体的に記録が向上してきたことが背景にある。

 18日の予選では世界最速のボルトを温存していたが、3連覇を狙うジャマイカに勝ち、アジア新記録の37秒68もたたき出した。ケンブリッジは「バトンもそうですけど、個人個人のタイムがしっかり上がってきている。それぞれが自信を持って走れたのがすごく大きい」と胸を張った。桐生、山県、ケンブリッジらで組む「史上最強」のチームは、見ている者に過去のリレーチームにない夢を抱かせるようになった。リオの地で示した「進化形」のリレー。2大会ぶりのメダルはその先にあった。【新井隆一】

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