メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

JICA

地雷被害者を東京パラへ コロンビアに派遣の日本人、ボランティアで夢描く

ボゴタ
地雷を踏んで右足を失ったアンドレス・ゴメスさん(左)=コロンビア・ボゴタ市で、関谷俊介撮影

 武力紛争や地雷で障害を負った人たちを2020年東京パラリンピックに--。国際協力機構(JICA)は、内戦で多くの死傷者を出した南米コロンビアに日本人ボランティアを派遣し、障害者スポーツの振興に力を入れている。復興に欠かせない地雷除去も支援している。1月中旬、日本からの現地視察団に同行取材した。【関谷俊介】

    居村剛士さん

     首都ボゴタ市にある軍のリハビリ施設。1年半前に開設され、負傷した兵士や警察官ら約600人が社会復帰を果たした。仲間とサッカーをしていた元兵士のアンドレス・ゴメスさん(27)は4年前、ゲリラとの戦闘中に地雷を踏んで右足を失った。「つらかったけど、理学療法士や家族の励ましで乗り越えられた。障害があってもサッカーができることをみんなに見せたい」。笑顔を浮かべた。

     コロンビア・パラリンピック委員会では、JICAから派遣された日本人ボランティアの居村剛士さん(45)が働いていた。石川県で高校の体育教師をしていた経験を生かし、陸上競技などのパラリンピアン発掘に携わる。

     派遣の期間は16年7月から今年3月下旬まで。東京パラリンピックに向け、コロンビア選手が滞在する日本国内のキャンプ地との橋渡しをしたいと考えている。「地雷などで障害を負った人たちが競技に参加できるよう応援したい。自分もコロンビアチームのサポーターとして関われたら」と期待を込めた。

     JICAは、スポーツ選手の育成を支援するボランティアを1965年以降、90カ国に延べ4184人(今年3月末見込み)派遣している。派遣されたボランティアらは、16年のリオデジャネイロ大会までに約90人のオリンピアン、パラリンピアンの育成に関わった。メダルを獲得した選手もいる。コロンビアにもこれまで33人を派遣した。

     政府軍と左翼ゲリラの内戦が続いたコロンビアでは、地雷による死傷者が1万人を超える。内戦終結後も、地雷を除去する作業が各地で続く。地雷除去訓練施設があるトレマイダ軍事基地(クンディナマルカ県)では、爆破処理方法の教育や、探知犬の育成を行っていた。

     地雷の除去は熟練が必要な作業だ。導火線が仕掛けられていないか注意を払いながら、一帯の草を刈り、探知機を地面に当てる。反応があれば掘り起こす。鉄くずなどの場合も多いが、10回に1回程度の確率で地雷が発見される。

     JICAは昨年から、カンボジアで地雷除去にあたった現地の専門家を同基地に派遣している。地雷除去を担当するレアル大佐は「除去作業の対象エリアは広い。JICAの支援に感謝している」と話した。


     ■ことば

    コロンビアと内戦

     コロンビアは南米大陸北西部に位置し、面積は日本の約3倍の約114万平方キロ。人口約4822万人(2015年)。社会主義政権の樹立を目指して左翼ゲリラ「コロンビア革命軍(FARC)」が1964年に結成され、政府軍との間で内戦が起きた。16年11月、政府とFARCが和平合意を結び内戦は終結した。しかし別の反政府勢力によるテロが発生している。内戦による犠牲者は約26万人に上り、国内避難民も約700万人いる。

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 日産会長逮捕 ゴーン神話「数字の見栄え良くしただけ」
    2. ゴーン会長逮捕 日産社長「私的流用、断じて容認できない」 会見詳報(1)
    3. 高校野球 誤審で甲子園行き明暗…終了一転逆転 岡山大会
    4. 全国高校サッカー 県大会 西京、5年ぶり全国切符 高川学園の猛攻しのぐ /山口
    5. 日産 ゴーン会長を解任へ 「会社資金を私的に流用」

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです