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20年東京五輪・パラリンピック

聖火リレー出発地・福島「心強い知らせ」 牛繁殖農家、再開へ期待

 2020年東京五輪の聖火リレーの出発地が東日本大震災の被災地、福島県に決まった。12日、大会組織委員会、東京都など関係団体による調整会議で了承された。復興途上の福島県は「心強い」と歓迎する。47都道府県の実施日も決まった。

     「私はいま、新たなスタートを切ろうとしているところ。福島が聖火リレーのスタート地点に決まったのは心強い」。東京電力福島第1原発事故で2016年7月まで避難区域だった福島県南相馬市小高区川房で、ウシ繁殖業の再開準備を進める黒木敏彦さん(65)は喜んだ。

     牛舎の隅々まで放射性物質濃度をはかるなど、放射性物質対策に神経を使い、今年9月からの飼育の再開を目指す。年内に親牛8頭を順次導入する計画だ。

     福島県がスタート地点に選ばれたことには、驚きもあった。原発事故の風評が残る中だけに、「福島は(ルート選定で)避けられてもおかしくない」とも思うからだ。「反応はだんだん和らいでいるのかな」。そんな実感がわいた。

     行政区長も務める黒木さんは「スタート地点」への特別な注目度にも期待する。国内外の多くのメディアが原発事故の被災地の現状に触れ、発信してくれることを望む。黒木さんは「避難者にはそれぞれ事情があるが、ふるさとに帰るか帰らないか決められず、中ぶらりんになっている人も戻りやすくなるのではないか」と話した。

     福島県オリンピック・パラリンピック推進室の鈴木淳主幹は「被災県に対しての配慮を重く受け止めている。しかもスタート地点に選ばれ感謝している。五輪のスタートを切ることになるので、成功に向けてしっかり準備していきたい」と喜んだ。

     同室は組織委などに原発事故の風評が残る福島の現状を伝えて「被災者の心の傷を癒やすためにはスポーツの力が大きい」と訴えてきた。鈴木主幹は「復興の現状を世界に発信できれば」と話した。【高橋隆輔、柿沼秀行】

    沖縄、関係者に落胆の声

     沖縄県は米国統治下だった1964年東京五輪に続き、今回も聖火リレーの出発地とするよう大会組織委員会などに求めてきた。希望は通らず、全国で18番目に聖火がまわってくることになった。

     “落選”の報に、県スポーツ振興課の担当者は「残念だ。前回は大変盛り上がっただけに、『今回も』と要望してきたのだが……」と落胆した様子。県では今後、聖火リレーのルート案を練る予定で「離島も含めてどう盛り上げていくか、よく考えないといけない」と語った。【遠藤孝康】

    森氏「悩んだ末の結論」

     大会組織委員会の森喜朗会長は「東京五輪の開催は東日本大震災復興からスタートし、常に皆さんにどう希望を持ってもらえるか考えてきた。やっと具体的に取り組める」と説明した。47都道府県を駆け巡る聖火リレーのスタート地点や日程は「絶対これが最高という結論はない」と悩んだ末の結論であったことを明かし、「みんなが楽しく感動するリレーをしていただけたら」と笑顔を見せた。

     日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長は「最も注目されるスタートが福島からで、復興の現状を伝えられるのはうれしい」と述べた。全国知事会会長の上田清司・埼玉県知事も「震災の象徴が福島。日本中が喜んでもらえると思う」と歓迎した。

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