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酷暑と闘う

東京五輪まで2年/4 射撃・ライフル種目 心肺鍛え乱れぬ呼吸

92年バルセロナ五輪のライフル射撃で日本選手初のメダルを獲得した木場良平。東京五輪では木場以来のメダル獲得が期待される=橋口正撮影

 <千代田区の最高気温30.7℃=26日>

     暑さの影響を受けるのは、屋外競技ばかりとは限らない。その一つが射撃だ。短時間で集中して行うイメージが強いが、「射撃のマラソン」と呼ばれるライフル種目(50メートル)の男子の試合時間は、インターバルを含めて3時間を超える。競技開始は早くても午前8時半で、暑さの中で長時間、集中力を維持しなければならない。

     陸上のマラソンと異なるのは、「半屋内」で行われる点だ。銃を構える射台には屋根があるが、的までは吹きさらしの屋外。選手は地面からの照り返しや熱気に包まれ、汗が滴る。50メートルライフルでは、競技後に体重が2キロも減るという。

     同じ射撃でも銃身の短いピストルはTシャツなど軽装で行うが、ライフルは分厚く2・4キロのジャケットを身に着ける。厚さや固さは規定があり、暑さを軽減するのは難しい。

     そこで日本の射撃関係者が考えたのは、暑さに負けない肉体をつくることだった。猛暑の中で競技をしても呼吸が乱れないように、心肺機能を鍛えることを目指している。

     日本協会の田村恒彦コーチは「呼吸が乱れると銃身の揺れにつながる」と説明。50メートル先にある15・44センチの的の中心を射抜くには、銃を構えた際の数ミリのずれが命取りになる。120発の弾丸を膝立ち、うつぶせ、立った状態と三つの姿勢でリズム良く撃つことが求められる。

     日本協会は東京五輪に向けた強化の一環で高地トレーニングを導入し、昨春から標高約1000メートルの山形・蔵王高原で日本代表合宿を定期的に実施している。午前は走り込み、午後は体幹トレーニングを各3時間。筋力を使う印象は薄いが、銃身や体がブレないようにする効果がある。

     高地トレーニングは暑さ対策にとどまらず、基本的な競技力向上にもつながっており、田村コーチは「多くの選手が銃の揺れが小さくなった」と手応えを感じている。今年は女子選手が日本新記録を4回も出したという。

     一方、日本協会はジャケットの下に着るアンダーウエアの開発も進めている。アンダーウエアが汗を吸って肌に張り付くと、射撃姿勢に入る際に摩擦が生じ、感覚が狂ってしまう。これまでは機能的な通年タイプの外国製のものに頼っていたが、日本特有の高温多湿の環境に対応できるように汗を吸っても肌触りの良いウエアの開発を目指している。

     日本選手によるライフル射撃の五輪メダルは、1992年バルセロナ五輪で木場良平が獲得した銅1個のみ。2年後の東京五輪での表彰台へ。周到に準備を整え、照準を合わせている。【松本晃】=つづく

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