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20年東京パラリンピック

開幕2年前 魅力発信、専用体育館「パラアリーナ」 「私も全力で応援」篠田麻里子さんがリポート

車いすラグビーを体験し、笑顔を見せる篠田麻里子さん(右)

 <TOKYO2020 Paralympic 2YEARS TO GO>

    優しさに包まれ 車いすラグビーをエンジョイ

     2020年東京パラリンピックは、25日で開幕まで2年となる。強化施設の整備は進み、今年6月にはパラスポーツ専用の体育館「日本財団パラアリーナ」(東京都品川区)がオープンした。パラスポーツに関するイベントやテレビに出演する元AKB48の篠田麻里子さん(32)がパラアリーナを訪れ、バリアフリー環境を実感。メダル獲得を目指す車いすラグビーを体験し、パラスポーツの魅力に触れた。【谷口拓未、写真は和田大典撮影】

    車いすの選手が座ったまま使用できる左右アーム式のシャワールーム

    心配り行き届く

     点字ブロックではなく、弱視の人が判別しやすいように床は黒色、壁は白色で統一。館内には、車いすの選手のために、座ったまま使用できる左右アーム式のシャワー室やトレーニング室もあった。

     「落ち着いた雰囲気。きれいですね。優しさを感じます」

     心配りの行き届いた設備に、篠田さんは感嘆の声を漏らした。「優しさですか。良い言葉ですね」。施設を運営する日本財団パラリンピックサポートセンタースタッフも思わず笑顔に。

    ロッカールームは車いすの選手が使いやすいように設計されている

     パラアリーナは車いすラグビーやボッチャなど、東京大会の正式種目である競技のクラブチームなどが利用している。日本代表の合宿も実施。練習拠点の確保が難しい団体競技などの強化拠点として期待されている。

     バスケットボールのコートを2面確保できる広さの体育館に入ると、篠田さんは「普通は暑いのに、すごく涼しい」。障害の種類や程度によっては発汗による体温調節をしにくい選手もおり、空調設備は充実している。

     ワックスを2度塗り加工した床は傷がつきにくく、車いす競技にも効果的。ボッチャなどパラスポーツの競技特性に応じたラインは初めから記され、すぐに練習を始められるように工夫されている。

    怖さを乗り越え

     体育館では、東京大会出場を目指す車いすラグビー日本代表の強化指定選手が練習をしていた。過去に車いすラグビーを体験したことがあるという篠田さんは「ぶつけられて怖かったです。パラスポーツの中でも、最もハードな競技だと思います」と、少し控えめに話した。

     車いす同士の接触が認められ、プレーは迫力に満ちている。そんな激しさに加え、選手たちは篠田さんに、戦術面についても説明した。障害の重い選手が相手をブロックして好機を作り、比較的障害の軽い選手がボールを運ぶ……。個々の特性を生かした戦術は奥深い。「頭を使うし、チームワークもあるんですね」。怖さよりも興味が上回った篠田さんは、競技に再挑戦することになった。

     まずは走る味方へのパス練習。助言を受け、2投目でパスを成功させ、「できた!」。笑顔がはじけた。練習パートナーを務めたうちの一人、中町俊耶選手(23)も「のみ込みが早い」と驚いていた。

     車いすの操作に慣れるにつれ、怖さを感じていたぶつかり合いにも挑戦した。「ガシャン」と鈍い金属音が響き、篠田さんは車いすごと後方へ。「こわーい」と悲鳴を上げたが、どこか楽しそうだ。

     最後は試合形式で2対2のミニゲーム。味方が相手を引きつける間に独走し、1トライ目を挙げた篠田さん。スピードを緩めることも忘れ、ボールを両手で高く掲げ、喜んだ。「激しさが目立つけど、やっている人は頭を使います。作戦(戦術)がないと勝てませんね」と競技の魅力を口にした。

    視察・見学会通じ

     篠田さんは「東京大会までに競技を見たり、体験したりできる機会が多くあると魅力を知ることができて、もっと盛り上がるはず。私もパラスポーツを応援していきます」と意欲的だ。施設側は今後、自治体や企業による視察、修学旅行生など児童生徒の見学や競技体験を通し、パラスポーツへの理解促進を目指すとしている。

    日本選手権でプレーする日本代表の藤本怜央選手(右)

    車いすバスケ、強化着々と

     夏季パラリンピックの花形競技の一つが、車いすバスケットボールだ。男子日本代表は2020年東京パラリンピックでの悲願のメダル獲得に向け、着実に力をつけている。

     ルールは健常者とほぼ同じ。特徴は、障害の程度に応じて各選手に1.0~4.5点の持ち点を振り分けることにある。同時に出場する5選手の持ち点を14点以内にしなければならない。

     日本は1976年のトロント大会から11大会連続でパラリンピックに出場しているが、前回の16年リオデジャネイロ大会は9位だった。巻き返しを図るための戦術は、速攻の徹底だ。豊富な運動量で攻守の切り替えを早くし、素早いテンポで仕掛けるバスケットを目指している。

     6月に東京都内で行われた国際大会では、12年ロンドン大会金メダルのカナダなど強豪を退け、優勝した。及川晋平ヘッドコーチは「リオから大きな転換を図ってきた。自信になったし、我々がやっていることの方向性は間違っていないと確信を持てた」と語る。

     リオ大会に出場しなかった21歳の川原凜ら20代前半の選手も頭角を現し、チーム内の競争意識は高まっている。リオ大会で日本選手団の主将を務めた34歳の藤本怜央は「若い選手は力もあるが、おじさんの力強さも必要」と若手に触発され、意欲をかき立てる。

     一方、女子は00年シドニー・パラリンピックで銅メダルを獲得したが、最近は低迷。12年、16年と2大会連続で出場していないが、2年後の東京に向けた強化策は徐々に進んでいる。昨年から男子の日本選手権にも参加できるようになったほか、海外に活躍の場を移す選手も出てきた。地元開催のパラリンピックでの活躍を目指し、チーム力の底上げが期待される。【谷口拓未】


     ■人物略歴

    しのだ・まりこ

     1986年3月生まれ。福岡県出身。人気アイドルグループ、AKB48の中心メンバーとして2006~13年に活動。女性誌の専属モデルも務めた。パラスポーツの熱を高めることを目指す東京都のプロジェクト「TEAM BEYOND」のメンバー。

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