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一語一会・私が出会った「昭和の怪物」

山本五十六と戦争/15 山本の死についての海軍報告書の虚偽=保阪正康

山本五十六

 昭和の時代にその名を刻んだ怪物的存在を、現代史研究の第一人者が新たな問題意識で論じ直す好評連載。大反響の「山本五十六と戦争」の第15回は、撃墜死とされる山本が、実は銃撃によっては死んでいなかったという真相を明らかにし、海軍報告書の虚偽を問う―。(一部敬称略)

 山本五十六が撃墜時には死んでいなかったというのは、密(ひそ)かに作成された海軍の報告書にもそう書かれていたというのである。私は、山本が重傷を負った身で存命していて、やはり存命していた軍医長などと会話を交わしていたと思うが、その場を目撃した者はいないので裏づけはとれない。しかしたまたまブーゲンビル島に駐屯する部隊の軍医であった蜷川親博(ちかひろ)が最初に検案した折に、撃墜時には生存していたとの報告書をまとめたが、それは公表されず、あまつさえ蜷川自身は口封じのために意図的に激戦地に送られ、死を強要されたとの見方を紹介してきた。蜷川の実弟が兄の残したノートをもとに、戦後になって兄の検案書を手掛かりに真相を調べるべく関係者を訪ね回っている。

 そうして著した書『山本五十六の最期―検死官カルテに見る戦死の周辺』を参考に、それと私自身が関係者に…

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