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一語一会・私が出会った「昭和の怪物」

山本五十六と戦争/16 歴史は山本五十六をどう評価するか=保阪正康

山本五十六

 昭和の時代にその名を刻んだ怪物的存在に、現代史研究の第一人者が新しい問題意識を込めたメモワールを捧げる好評連載。大詰めを迎えつつある「山本五十六と戦争」の第16回は、チャーチル、ルーズベルトをはじめ、山本が歴史上どう評価されているかを探る―。(一部敬称略)

 山本五十六という軍人を、アメリカやイギリスはどのように見ていたのか。あえて山本を「敵国」の側の指導者はどう見ていたかを整理しておくことにしたい。もっとも分かりやすいのは、イギリスのチャーチル首相の対日観である。皮肉屋だが、ユーモアのあるこの人物は、日本がなぜ見境もなくアメリカとの戦争に踏み切ったか(彼はこの開戦を対独戦を有利にするために望んでいたのだが)について、天皇やその周辺の人々は反対していたにもかかわらず、陸軍の指導者は、「無数の将校と他の人々は、『戦争を予言する祖先の声』が聞こえるように感じた」のだろうと書く。

 つまり蒙古襲来を撃退したその頃の武人たちの雄叫(おたけ)びに突き動かされたのだろうというのである。…

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