学生たちの考古学実習の成果を博物館で展示

　国学院大学博物館（東京都渋谷区東４）で、特集展示「穂高古墳群 Ｆ９号墳 −考古学実習速報展−」が始まった。同大考古学研究室が学部・大学院による「考古学調査法」の一環として、２００９年度から長野県安曇野市の穂高古墳群Ｆ９号墳で実施している学術調査の中間成果を報告するもので、学生たちの１年間の学修成果を発表する場になっている。

　同大文学部史学科には「考古学調査法」の講座があり、学生たちは発掘や測量のノウハウを学ぶほか、調査後の資料保存や報告書の作成などにも取り組んでいる。穂高古墳群Ｆ９号墳で昨年８月から９月にかけて行われた発掘実習では、石室内部から鉄製の馬具（轡＝くつわ）や赤色顔料、鉄製やじりの鉄鏃（てつぞく）などが見つかった。

　今回の展示では、過去7年間の調査で学生らが発掘した出土品の中から歴史的価値が特に高い約１５点が展示されている。昨年の調査で発掘されたものや須恵器などは６世紀から８世紀の葬送儀礼を探る上で貴重な出土品といえる。

　展示は５月７日まで。入館無料。同博物館では現在、企画展 「花鳥風月 −柄鏡の美−服部和彦氏寄贈コレクションを中心として−」も３月１３日まで開催中だ。