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国際NGO「難民を助ける会」(東京都)理事長を務める立教大の長(おさ)有紀枝教授が取手一高(茨城県取手市)で「『難民』『地雷』問題の考え方・とらえ方」と題して講演した。中東などでの支援活動を例に解説し「世界の問題に目を向けてほしい」と語りかけた。
1年生の必修科目「産業社会と人間」の一環で約240人が聴講した。冒頭、長教授がトルコで出会った難民の子どもを主人公に文章を書き、8月出版した絵本「サニーちゃん、シリアへ行く」(絵・葉祥明さん)を朗読。「ニュースで流れるドイツへの大量難民は体力がある若い人たちで一握り。お年寄りや家畜の世話などで逃げられない人が大半だ。支援が届かないことが多い」と指摘した。
地雷被害については「カンボジアでは地雷を踏んでけがをしても(治療代を)借金してから病院に行く人もいる」と説明。除去作業は「シャベルで薄く土をはぎ、遺跡発掘のような膨大な時間がかかる」と述べた。さらに「世界には皆さんと質の違う悩みを抱える人がいることを知ってほしい」と呼びかけた。
1年の和方(わかた)琉晟(りゅうせい)さん(16)は「地雷で脚が吹き飛ぶのは残酷だ。自分に関係ないとは思わないで世界の状況を知っていこうと思う」と感想を話した。【安味伸一】