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阪神大震災や最近の災害の経験を交えながら、災害時に管理栄養士の果たす役割を学んでもらおうと甲子園大学(兵庫県宝塚市紅葉ガ丘)で1月12日、「災害時の食に備える」と題した防災教育の講義があった。栄養学科の4年生約110人が、非常食を調理する時の考え方や、その具体的な方法を学んだ。災害時に、被災者の役に立つ管理栄養士を育成するのが目的。兵庫県栄養士会と非常食を販売する「みやこ」(大阪市住吉区)が調理指導で協力した。
昨年に続き、今年で2回目。講義では、県栄養士会の下浦佳之副会長と、甲子園大学栄養学科の伊藤裕美准教授が、災害時の管理栄養士の役割について説明した。下浦副会長は、栄養士会で編成した災害支援チームを被災地に送った際の任務について「子供や高齢者、障害者などの災害弱者の食事の相談に応じ、食が原因となる2次災害が起きないように行動する」と述べた。
非常食の調理では、水などの液体を入れて交ぜるだけで食べられるパック入りのご飯「アルファ化米」を体験。水の代わりに栄養価の高い野菜ジュースを加え、約1時間かき交ぜて完成させた。高密度ポリエチレンの袋に食材を入れ、湯せんで加熱調理する「パッククッキング」にも挑戦。電気ポットを使い、スクランブルエッグにした。水を少量加えた時に発生する蒸気で温める発熱剤の使い方も学んだ。
卒業後は調剤薬局に就職するという栄養学科4年の木村榛奈(はるな)さん(22)は「パッククッキングは手軽で、家でもやってみたい。機会があれば、被災者を支援する活動もしたい」と話していた。【大笹久光】