明星大学の資料図書館2階・明星ギャラリーで3月21日から、近代教育学の名著を紹介する貴重書コレクション展「教育の明星大学の教育展」が開催される。同大の創立者である児玉九十・初代学長の「手塩にかける教育」「実践躬行(きゅうこう)」といった教育理念に通じる貴重書を厳選し、特別公開する。12月22日まで。
貴重書コレクション展は4回目。毎回テーマを変えて開かれ、これまで延べ1万3000人が来場し、好評を得ている。今回は近代教育学に多大な影響を与えたペスタロッチやフレーベル、ルソーなどの名著に加え、三つのテーマで会期を分け、人類の知性を支えてきた「学びの精神」を著す貴重書を紹介する。
第1期「世界を学ぶ」(3月21日~6月26日)では、ナポレオンのエジプト遠征の記録「エジプト誌」やダンテ「神曲」など、美術的価値の高い、美しい挿絵や図版を展示する。 第2期「自然を学ぶ」(6月30日~9月25日)は、「昆虫記」で名高いファーブルの描いた「ファーブルのきのこ」、キュリー夫人の「実験室ノート」など、自然科学分野の偉大な発見や研究を記録した貴重書を公開。第3期「日本を学ぶ」(9月29日~12月22日)には、奈良絵本「平家物語」をはじめとする日本人の学びの文化や、海外から見た日本の姿を紹介する。
「一流になるために、学生には本物に触れてもらいたい」という思いから、同大の児玉三夫・第2代学長が20年間にわたり、国内外から収集したのが貴重書コレクションだ。現在4500点に及び、今や全世界の愛書家たちが喉から手が出るほど欲しい見事なコレクションへと成長した。世界第2位の所蔵冊数との評価が与えられているシェークスピア戯曲集の初版本「ファースト・フォリオ」をはじめ、第16代米国大統領・リンカーンの「奴隷解放宣言書」、世界最高の鳥類図鑑と言われる「アメリカの鳥類(バーズ・オブ・アメリカ)」の収集は、海外にも広く知られている。
担当者は「貴重なものだからこそ、より多くの方々に見ていただこうとの思いでコレクション展はスタートした。デジタル時代の今、本物に触れ、教育の重要性と学びの素晴らしさを再発見する場として役立てていただきたい」と話している。
午前9時~午後5時。入場無料だが、事前予約が必要。希望者は専用ホームページから申し込む。時期により展示書の入れ替えがある。問い合わせは同大図書館(042・591・5104)へ。