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大学倶楽部・桜美林大

トゥレット症候群知って NPOがハンドブック 酒井さん、体験語る

酒井隆成さん(右)と父の富志也さん。「トゥレットがなければ息子とこんな関係になれなかったかもしれない」と優しく話した

 自分の意思に関わらず勝手に体が動いたり声が出たりする「トゥレット症候群」について知ってもらおうと、NPO法人「日本トゥレット協会」は今年3月、「チック トゥレット症 ハンドブック~正しい理解と支援のために~」を発行した。「まわりの人の理解なしでは生きられないから、知ってもらうよう努力し続けたい」。桜美林大健康福祉学群1年、酒井隆成さん(18)はそう語る。

     認知度が進まない中、自身のトゥレットをできるだけ周囲に話してきた。今年4月からは1人暮らしも始め、サークル活動にも期待に胸を膨らませる。少しずつ、大学でも打ち明けられたらと願う。

     トゥレットとわかり、それを受け入れたのは小学校高学年の頃だった。セカンドオピニオンで訪れた専門医に完治は無理だと言われた。だが「ショックだったが、うまく付き合っていくしかないと吹っ切れた」という。小学2年生の頃、突然体を動かさないといけないような感覚に襲われ、4年生の頃に「ンンン」などと大きな声を出すようになった。わざとやっているわけではなく、止められない。自分も家族も苦しい日々が続いた。

     それでも、周囲に恵まれ大好きなバスケットボールは続けた。試合で他校の生徒にからかわれたら、「これは病気でね」と毎回説明にいった。学校ではクラスみんなの前で病気を打ち明けた。

     とはいえ「病気だと思われるのはいいものではない」とも言う。説明する時はいつも不安と緊張で頭が真っ白になる。それでも「知ってもらった方がプラスの事が多い」と勇気を振り絞る。

     トゥレットだと話すと、離れる人もいるがそばに残ってくれる友人もいる。「人を見る目が培われるし、自分のまわりにいてくれる人がいい人ばかりになる」と前向きだ。特に中学時代、「なんだこいつ」「うるせえ」などと他人が向ける冷たい視線に苦しんだ時もあった。そんな時に支えてくれたのは、病気を打ち明けた友人たちだった。「全然気にしないし、それで何か言ってくる人がいたら私たちが話す」。救われた。「トゥレットだから一生ダメとか、そんなことはない」と今は思う。

     中学前半は父親の転勤でアメリカに住み、トゥレットの患者に対する認知度の差に驚いた。変な声が出ても、気にする人は少なかった。逆に、帰国後の高校受験では、日本でのトゥレットの認知度の低さに苦しんだ。いくつかの志望校には病気を理由に受験がかなわず、たまらず泣いた日もあった。だが、受け入れてくれた高校では同級生らに説明し、理解者が増えた。

     大学では、診断後から自分を支え続けてくれたカウンセラーのようになるため、公認心理師の資格を取るつもりだ。「トゥレットだと診断できる医師はいても、その後のケアをできる人がいない」とも感じていた。「この病気を周囲に言えず苦しんでいる人はたくさんいる。トゥレットになったらこの人を訪ねて、と言われる人になりたい」と、瞳を輝かせた。【国本愛】

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