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9月8日 2020年五輪・パラリンピック統合への道

 南米初開催となる障害者スポーツの祭典、第15回夏季パラリンピック・リオデジャネイロ大会が8日(日本時間)、マラカナン競技場で開幕した。NHKは19日(日本時間)までの大会期間中、毎日の生中継を含め、パラリンピック報道では過去最大となる120時間の放送を予定している。初日の開会式も前半はEテレでの放映だったが、現地キャスターを務めた有働由美子アナウンサー自身がレギュラー出演している情報番組「あさイチ」が始まる午前8時15分からは総合テレビで生中継された。

     開会式の生中継には、東京五輪・パラリンピック組織委員会理事でもある写真家の蜷川実花さんと、障害者スポーツを取材してきた俳優の風間俊介さんが現地リポーターとして出演。選手への報奨金が世界的に五輪もパラリンピックも同レベルなのに対し、日本ではパラリンピックの金メダルには150万円と五輪の300万円の半額であることなどを例に挙げ、日本のパラリンピックへの関心の低さを異口同音に語った。

     また風間さんは、障害者アスリートたちが練習場所の確保にも困っていることを指摘。有働キャスターが「日本には障害者専用のトレーニングセンターがないということですね」と確認すると、「米国では一般のトレーニングセンターで健常者も障害者も一緒に練習できる」と話し、専用施設よりも共生社会実現の必要性を強調した。僕の取材経験から言っても、福祉先進地と考えられている米国や北欧などでは「障害者専用のスポーツ施設なんて聞いたことがない」という声が多い。

     一方、蜷川さんは「2012年のロンドン大会から、パラリンピックに対する社会の意識が大きく変わった」と話した。実際、マスメディアの扱いも、ロンドンからリオデジャネイロに至って世界的な関心の高まりを感じる。

     ところで、今朝のリオ・パラリンピック開会式の生中継でもう一つさすがNHKと思ったのは、リアルタイム音声解説。テレビ画面の見えない視覚障害者のために各国の参加選手たちの服装や色を熱心に説明してくれていたが、他局では収録番組ばかりだ。日テレの24時間テレビですら、リアルタイム音声解説は付かなかった。

     さあ、いよいよ4年後は日本の出番だ。歴史に残る東京五輪・パラリンピックを実現するために最も求められるのは、僕が前から訴えている健常者と障害者が感動を共有できるオリンピック(五輪)とパラリンピックの同時開催だろう。それこそ真の共生社会、ソーシャルインクルージョンと言えないだろうか?【岩下恭士】