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ユニバ・リポート

メガネ型音声読書機オトングラスへの期待語る--東京で第1回オトンデー

写真=東京都港区で開催された「オトンデー」

 この春、金沢21世紀美術館で試作機が公開展示されて大きな話題を呼んだメガネ型音声読書機「OTON GLASS(オトングラス)」への期待を語り合う「第1回オトンデー」が27日、東京都港区のオトングラス社で開かれた=写真。当日は同社の開発者のほか、視覚障害者やディスレクシア(失読症)当事者、医療関係者や出資者など約30人が参加、製品の実用化に求められる機能や普及方法などについて検討した。

     オトングラスは、カメラで撮影した文字をサーバー上の文字認識技術や音声合成技術を使って読み上げさせる技術。同社代表取締役の島影圭祐さんが5年前、脳梗塞(こうそく)で文字が読めなくなった父親のために開発した。文字を音声で読み上げるため、ディスレクシアや視覚障害者にも有効と期待されている。また英日翻訳読み上げも可能なため、訪日外国人向けのサービスとしても利用可能だ。

     全盲で試作機初号機のユーザーでもある記者は「郵便物やコンビニの商品などを自力で識別したかった」と利用の動機を説明。コンビニでオトングラスを使って缶ビールの銘柄を確認しようとしたら店員に怪しまれたこと、商品名の部分に的確にカメラを向けられず10回に1回くらいしかスムーズに読みとりができないことなど自身の体験を披露した。最後に「操作そのものは極めて簡単だが、イヤホンやコントロールボックスとメガネを接続するケーブルが邪魔でセッティングが面倒。ワイヤレスで使えるようにしてほしい。人の顔なども認識してくれたら楽しい」などと要望した。これに対して同社のエンジニアらからは「無線環境で顔などの映像を扱うのは厳しい。有線ならば可能」と説明した。

     視覚障害者の自立に向けてオトングラスの活用に期待している世田谷区保健センター総合福祉センターの視覚障害者指導担当、木村仁美さんは、パソコン用の画面読み上げソフトを実演紹介しながら、「自分で通帳を確認したい」「広告や漫画を読みたい」「ポテトチップスの味を選びたい」などの体験者の声を紹介した。

     ディスレクシアのある参加者からは「店の看板が読めたら外出が楽しくなりそう」などの声が寄せられた。

     島影さんは「オトングラスの開発で一番学んだことはコミュニティーの重要性」として、「今後も多様な参加者を集めたオトンデーを開きたい」と話した。また来春の製品化の際はiPhoneアプリ版として、メガネとスマホを無線連携させたり色や顔認識を可能にしたりする多機能化よりも、文字認識を完璧にすることから優先することなどを明らかにした。【岩下恭士】

    ◆お知らせ: オトングラス体験会

     10月4日(水曜日)18時30分から東京都千代田区の毎日新聞社1階の毎日メディアカフェでオトングラス体験会を開催します。参加費は無料。どなたでもご参加いただけます。