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ユニバ・トーク

3月8日 笑いのユニバーサルデザイン

 18年前、車いすの郵政相、前島英三郎さんを取材した。タレントの八代英太からの転身について「どうして車いすタレントの道を選ばなかったんですか?」と聞くと「健常者のときとは聴衆のリアクションが全然変わってしまったんです。以前のように笑いを取ろうとおもしろいことを言えば言うほど、主婦のみなさんが顔をくもらせてしまうのであきらめました」と説明してくれた。

     「障害者」イコール「不幸」イコール「被害者」イコール「笑いと無縁の存在」。これが当時の風潮だった。オーストラリアの車いすコメディアンだった故ステラ・ヤングさんは、偏見と闘いながら清く正しくひたむきに生きる障害者の姿を喜ぶ健常者の障害者観を「感動ポルノ」と表現した。

     6日に開かれた、一人芸の日本一を競う「R-1ぐらんぷり 2018」で見事優勝した濱田祐太郎さんの話芸を聴いて驚いた。「盲学校なのに点字ブロックないのなんでや?」と関西弁で訴える彼のネタは、同じ盲学校在籍経験を持つ僕らにとっては思わず噴き出してしまう話題だが、それを同じように一般の聴衆がためらいなく笑っているからだ。前島さんが車いすでステージに上がった20年前だったら、もしかするとこれほどストレートには受けなかったかもしれない。2020東京では感動ポルノでないパラリンピックが誕生するだろうか?【岩下恭士】