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ユニバ・リポート

晴眼者も視覚を閉じて素材の味を実感--東京で第2回ブラインドレストラン

写真=晴眼者はアイマスクを付けて食事を体験した

 真っ暗な部屋の中で目の見える人と見えない人が料理と会話を楽しむ共生イベント「第2回ブラインドレストラン」が5月30日夜、東京都内の会議室で開かれた。当日はビジネス交流会「ニーズマッチ」の各支部から参加した晴眼者と視覚障害者ら10人が参加、明かりを消した室内で晴眼者はアイマスクを付けて出された料理を楽しんだ。

     ブラインドレストランは、ニーズマッチ創始者の手嶋建元さんが考案、異文化体験や視覚障害者のビジネスチャンスの創出を目的に始まった。

     当日はまず、ニーズマッチの星の音支部を主催する全盲マッサージ師、今泉成紀さん(46)の司会進行で全員が自己紹介、隣の人と手を握ってお互いの存在や距離感を声と触覚で確認した。

     続いて用意された食事のメニューは9種類。パプリカやトマト、ヤングコーンやアスパラガスなど新鮮な生野菜から始まり、マツタケ風味のあるエリンギとミツバの茶わん蒸し、パスタや豚の空揚げ、野菜たっぷりのミネストローネと続いて、苦みの利いたゴーヤーにはオオバやミョウガがかかっており、すべて香りや食感が楽しめるよう工夫されていた。自分の味覚に注意を向けてもらうために給仕スタッフは料理を出すときにあえて料理名を説明しなかった。

     食事のあとは、晴眼者はアイマスクを外して感想を発表した。渋谷区でメンタルコーチをしているという初参加の若い女性は「パプリカは嫌いなはずでしたが、知らずに食べたらおいしかった。普段見た目で敬遠していただけみたい」と話した。

     セールスコピーライターの男性は「普段は味なんかあまり意識していないし、何を食べたかすぐに忘れる。見ないで食べる方が記憶に残る」と話した。

     最後に今泉さんが「みなさん、目隠しして分かったと思いますが、視覚障害者は情報の利用方法が違うだけで、特別な人たちではありません。街中で見かけたら気軽に声をかけてください」と呼びかけた。

     ビジネス交流会ニーズマッチは自己啓発スペシャリストの企業家、デール・カーネギーの社会貢献や多様性の尊重を行動指針にしている。現在、東京都の56支部をはじめ、全国に80支部があり、組織や役職を超えて多様な個人が自由に交流しながら新たなビジネスチャンスの創出に取り組む。【岩下恭士】