ユニバ・リポート

車いすユーザーが作るバリアフリーマップなど四つのプロジェクトに5000万円

写真=「Googleインパクトチャレンジ」ファイナリストと審査員

車いすユーザーが作るバリアフリーマップなど四つのプロジェクトに5000万円−−Googleインパクトチャレンジ授賞式

 テクノロジーを活用して社会貢献する日本国内の非営利団体を支援するグーグルのプロジェクト「Google インパクトチャレンジ」のファイナルイベントが26日、東京都内で開かれ、最終選考に残った10団体の中から車いすユーザーが作るバリアフリーマップやホームレス(路上生活者)による治安維持活動など四つのプロジェクトにそれぞれ賞金5000万円、他の6団体に同じく2500万円が贈られた。

     プロジェクトは昨年11月4日から実施、数百件が寄せられた応募の中から最終選考10団体を選出、一般投票による1団体と、首相夫人の安倍昭恵さんや宇宙飛行士の野口聡一さんらが審査員を務めたプレゼンテーション審査によって3団体を決定した。

     プレゼン審査でグランプリに輝いた特定非営利活動法人PADMは2008年に任意団体として発足した難病筋疾患患者の会。世界中の車いすユーザーが訪れた場所の段差の有無など当事者視点で選んだバリアフリー情報をオープンデータとして公開するプロジェクトを提案した。

     当日プレゼンテーションを行った同会の織田友理子さんは「10年前から車いすユーザーになって路上の4.5センチ以上の段差が乗り越えられないことを初めて知った。沖縄に行った友人がスロープのあるモノレールを動画で見せてくれて感動した。世界に200万人以上いる車いすユーザーが参加するクラウドマップを作りたい」と訴えた。

     審査員講評を行った野口聡一さんは「満場一致で決まった。2020年の東京パラリンピックに間に合うようプロジェクトのスピードアップに期待したい」と激励した。【岩下恭士】