◇《かんたんユーディー》たった5個のボタンでデジタルテレビが楽しめる--ファンコムのレッツ・リモコン
デジタル放送が完全実施される2011年7月がいよいよ来年に迫っている。場面を言葉で説明する音声解説番組や字幕放送が増えるなど視覚や聴覚に障害のある人たちにとっては放送のバリアーが劇的に解消するものと大いに期待が高まる一方で、家電量販店の店頭に並ぶデジタルテレビに添えられたリモコンはどれもたくさんのボタンが付いていて、機械操作の苦手な人でなくてもとまどいを感じる。中でもテレビ視聴時間が圧倒的に長く、視聴者の主役であるはずの高齢者にとっては操作に習熟するために相当の時間と訓練が求められそうだ。
そんな中、福祉機器の開発や既存製品のユニバーサルデザイン化に取り組むパナソニックの社内ベンチャー「ファンコム」(松尾光晴社長)は機能を最小限に抑えて、手の不自由な人や番組視聴だけを手軽に楽しみたい人向けに操作ボタンが五つしかない超シンプルなリモコン「レッツ・リモコン」=写真1=を昨年開発、製品化した。
レッツ・リモコンの本体上面には、電源、チャンネルアップ、チャンネルダウン、音量アップ、音量ダウンの五つの操作に割り当てられた大きなボタンがあるだけ。もちろん、番組録画や録画番組の視聴などはできないが、とりあえず放送中の番組を選んだり、音量を調節するといった基本操作は、ボタンを見なくても誰でもすぐにできるようになる。
◆動画1:レッツ・リモコンの概要
パナソニックには「かんたんリモコン」(現在生産終了)という使いやすさを最優先したテレビ用リモコンがあったが、レッツ・リモコンのコンセプトはシンプルで操作が分かりやすいというだけでなく、手の不自由な人や手の力の弱い人も楽に使えるということだ。
「介助者を煩わせることなく、いつでも見たい番組を探したい。寝たきりのお年寄りなどからそんな訴えを聞くことがしばしばありました」
そう説明する松尾さん=写真2。ベッドに寝たまま操作できるようにレッツ・リモコンには縦横の両側面に赤外線の出口を設け、どんな向きでも入力できる延長ケーブルも付けた。
◆動画2:誰でも押せるリモコン
さらに、リモコン本体のボタンが押せなくても音や光が自動的に移動して、専用の入力スイッチで決定できるオートスキャン入力モードも用意した。また、携帯サイトの取扱説明書は、本体裏側の二次元バーコードを使ってアクセスできる。
レッツ・リモコンは、福祉機器販売店向けと入力スイッチ(手押し式・スプリング弱・丸形)が標準で付属している家電販売店向けの二つのモデルがある。
【岩下恭士】
写真3:押しやすいようにボタン中心にへこみをつけ、市販のカメラ三脚などを使えばベッドの柵に取り付けられる
◇福祉機器販売店向けモデル:LR-TVO1/定価:12800円(税込み)
◇家電販売店向けモデル:LR-TVOlP/定価:オープン価格
レッツ・リモコンの主な仕様
外形寸法:幅140×高さ47×厚さ24ミリ(突起部を除く)
重量:約100グラム(単4乾電池2本を含む)
使用電源:単4乾電池2本
対応メーカー:パナソニック、三洋、シャープ、ソニー、東芝、パイオニア、日立、船井、ビクター、三菱など。
2010年1月7日