メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

スミレの香り

馳星周さんの新連載小説「スミレの香り」です。犬の訓練士をしていた男が、愛犬と各地を旅ししつけ教室などを開いている中で、事件に遭遇します。馳さんは1996年に「不夜城」でデビューし、人間や社会の暗部を描いてきました。今作では「許しについて書いてみようと思っている」と話しています。

  • /104 馳星周 画 田中靖夫

     上信越道も関越道も空(す)いていたが、首都高では渋滞に捕まった。 田舎にいる時間が長くなればなるほど、渋滞に対する耐性は下がっていく。 わたしは苛立(いらだ)…

  • /103 馳星周 画 田中靖夫

    「ええ。犬の遊び相手は犬が一番です。ドッグランへ連れていったりはしないんですか?」「この性格ですから、他の犬と喧嘩(けんか)になったらどうしようかと……」「すべ…

  • /102 馳星周 画 田中靖夫

     あの力で嚙(か)むと叱られる――レオはまたひとつ学んだのだ。 犬にとっての最良の教師は犬だ。 人間によって歪(ゆが)められ、吠(ほ)える、嚙むなどの様々な問題…

  • /101 馳星周 画 田中靖夫

    「そうですね。遊ばせてみましょうか。いいストレス発散になるかも」 哲也は額に浮いた汗を肩にかけたタオルで拭いた。土まみれの指は正しい農夫の証だ。「じゃあ、レオを…

  • /100 馳星周 画 田中靖夫

    「ああ、戸崎さんなら、何度か野菜を買いにきたことがありますよ」「ここの無農薬野菜で魂を浄化したいと言って?」 哲也は苦笑した。「なんだかそんなことを言っていたか…

  • /99 馳星周 画 田中靖夫

    「おれもだ」 わたしは電話を切った。    * * * 吉澤ファームの敷地に、祥子の乗っていたカングーは見当たらなかった。哲也がひとりでキャベツを収穫している。…

  • /98 馳星周 画 田中靖夫

    「真波のこっちでの足取りをもう一度洗い直そうと思ってる」「なにか摑(つか)めそうか?」「まだなんとも言えん」 伊藤沙織が店から出てきて、看板形式になっている手書…

  • /97 馳星周 画 田中靖夫

    「正しく育てられた正しい野菜をメインにした食事を摂(と)り続ければ、肉体と魂も浄化されるとかなんとか、そんな内容だったと思いますけど」「講演会が行われたのはいつ…

  • /96 馳星周 画 田中靖夫

     田村久美は鍋の中身をかき混ぜながら微笑(ほほえ)んだ。トマトの香りが漂ってくる。作っているのはラタトゥイユだろうか。「例えば、興味が高じて料理教室に通うなんて…

連載

広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 大阪府、大阪府立大と大阪市立大の学費を実質無償化へ

  2. ORICON NEWS 田村淳“道玄坂69”デビューも事務所から圧力なし クレームは「覚悟の上」

  3. 100歳、歩行者はねる 「気がついたら歩道に」 新潟

  4. 明石市が養育費「泣き寝入り」救済条例を検討 市が支払いを命じ、従わない場合は氏名公表も

  5. 千葉大 年間授業料10万円引き上げ 20年度入学から

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです