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渡航費は収入半年分 ウクライナ避難者への温かい手、冷たい視線
2022/6/27 11:00 3164文字紛争や迫害で家を追われた人が、全世界で初めて1億人を超えた。難民、国内避難民はこの10年で倍増し、ロシアによるウクライナ侵攻の影響も重なった。グランディ国連難民高等弁務官は「(1億人は)達成されてはならなかった記録だ」と危機感をあらわにする。一方、日本のネット交流サービス(SNS)上には「ウクライ
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「姉のため前へ」 ウィシュマさん入管死 妹2人、意見陳述の思い
2022/6/19 17:00 3370文字「心の中の圧迫感が、少し軽くなったように思います」。ワユミさん(29)は、取材にそう打ち明けた。姉のスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)は昨年3月、名古屋出入国在留管理局で収容中に死去。ワユミさんら遺族が国に損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が今月8日に開かれ、意見陳述を行
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「姉に正義を」ウィシュマさん妹、遺影に誓う 8日から国賠訴訟
2022/6/7 06:15 2843文字スリランカ人のウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)が名古屋出入国在留管理局(名古屋入管)で2021年3月に亡くなって1年3カ月。「お姉さんに正義をもたらしたい。毎日、遺影にそう誓っています」。姉はなぜ死んだのか。国を相手取った損害賠償請求訴訟の口頭弁論が8日に名古屋地裁で始まるのを前に、妹で三
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ウィシュマさん妹が再来日 入管死国賠訴訟「真相に近づければ」
2022/5/28 21:24 1095文字名古屋出入国在留管理局(名古屋入管、名古屋市)に収容中だった2021年3月に死亡したスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)の妹で次女のワユミさん(29)が28日、再来日した。ウィシュマさんの死を巡る国家賠償請求訴訟で6月8日に開かれる第1回口頭弁論で意見陳述するために日本に戻っ
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「復興のために学問を」 オンライン講義を再開したキーウの大学
2022/5/24 07:00 3016文字ウクライナの首都キーウ(キエフ)にあるキーウ国立工科大(KPI)の一部学部がオンライン講義を再開した。ロシア軍との戦闘は断続的に続いている。学生や大学職員に死者が出ているほか、激戦地の南東部マリウポリなどで行方不明になったまま安否が確認できない学生もいるという。なぜ戦火の中で講義を再開したのか。こ
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「自分がいた障害者施設に似ている」 れいわ木村議員の入管改革案
2022/5/22 06:00深掘り 3096文字車いすで活動する参議院議員・木村英子さん(57)。「障害者があたりまえに生きられる社会」の実現を目指し3年前に国政の世界に入ったが、日本の入管行政にも深い懸念を持っている。5月10日に野党5党・会派が参院に提出した新設の難民等保護法案や出入国管理及び難民認定法(入管法)などの改正案では、発議者に名
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「虐殺の町」ブチャを見た日本人写真家 「蛮行の証拠、はっきりと」
2022/4/6 11:00 1930文字後ろ手に縛られ撃たれて折り重なる私服の遺体、焼け焦げて並んだ多数の戦車や装甲車、外壁が黒ずみ大穴の開いたマンション――。ロシア軍が多数の民間人を殺害したと批判されるウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊のブチャを、日本人写真家、八尋伸さん(43)が取材した。5日、毎日新聞のオンライン取材に応じた八尋
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「顔合成」の再識別排除カギ 露の弾圧からLGBTQを守る/下
2022/3/30 11:00 2412文字ロシア連邦南西部のチェチェン共和国で、LGBTQなど性的少数派の抑圧の実情を伝えるドキュメンタリー映画「チェチェンへようこそ――ゲイの粛清」(ウェブサイト)。前編では、出演者を保護するためにディープフェイクと呼ばれる顔映像合成技術を「善用」した狙いをデイビッド・フランス監督(62)に聞いた。後編で
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ディープフェイクを善用する 露の弾圧からLGBTQを守る/上
2022/3/29 11:00 2590文字ウクライナ侵攻で世界から批判を浴びるロシアは、LGBTQなど性的少数派を抑圧していることでも知られる。中でも弾圧が特に激しいとされるのがロシア連邦南西部のチェチェン共和国だ。その実情を伝えるドキュメンタリー映画が日本で上映中だ。実はこの作品、被害者を保護するために「ディープフェイク」とも呼ばれる映
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台湾もウクライナのようになるのでは… 作家・温又柔さんの心配ごと
2022/3/23 17:00 2829文字作家の温又柔さん(41)は焦燥を覚えている。ロシアがウクライナに攻め入って家々や病院まで破壊し、子どもの命も奪い、320万人以上を難民として追い立て、戦闘はなお燃え盛る。大国が小国を踏みにじる現実は、自らが生まれた台湾が直面する中国の動静への不安をいや応なくかき立てる。外国人として主に日本語で書き
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勝訴したのに…「主戦場」はタブーなのか 慰安婦問題映画監督の闘志
2022/3/14 16:00 2365文字従軍慰安婦問題をテーマに2019年4月に公開されたドキュメンタリー映画「主戦場」。日系米国人のミキ・デザキさんが監督を務め、保守派の論客が赤裸々に語る映像が話題を呼んだが、一部の出演者に上映禁止などを求めて提訴された。1月27日にあった1審判決でデザキさん側が勝訴したものの、訴訟の影響もあり一般の
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ウィシュマさんの死から1年 「やむを得ず」日本政府訴えた遺族の思い
2022/3/6 19:56深掘り 2777文字「なぜ日本で娘が死ななければならなかったのか」。スリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)が名古屋出入国在留管理局(名古屋入管)で収容中に死亡してから3月6日で1年になった。ウィシュマさんの母親のスリヤラタさん(54)と妹2人が、死亡したのは入管が違法な収容を継続し、必要な医療を提
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声をつないで
「貧困は女性のせい?」桐野夏生さんが語るジェンダー格差への怒り
2022/2/28 07:00 3121文字「苦しみ悩む人たちの中に入って、彼らの物語を書くしかないと思っています」。小説を生み出す自らの取り組みを、作家の桐野夏生さん(70)はそう話す。男性中心の格差社会であえぐ女性たちの怒りや痛みをすくい取り、時に衝撃的な筆致で表現してきた。最新刊でも若い女性の貧困と生殖医療に焦点を当てる。一方、昨年に
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露のウクライナ侵攻 キエフで平和祈り、日本と現地作品の展覧会
2022/2/24 21:33 2353文字ロシアが24日に軍事侵攻したウクライナで、世界の聖地を撮影してきた日本の写真家・稲田美織さんの写真と、ウクライナの伝統的な美の世界を描く現地画家の展覧会が2カ月以上も続けられてきた。両国の国交樹立30年を記念して昨年12月下旬に開始。ロシアとウクライナの対立深刻化が続く中でも訪問者は途切れず、会期
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「第2のウィシュマさんに…」ネパール男性、入管でほぼ寝たきりに
2022/1/21 17:30 2678文字出入国在留管理庁の大村入国管理センター(長崎県大村市、大村入管)に収容中のネパール人男性(39)の健康状態が極端に悪化しているとして、支援者や代理人弁護士らが「第2のウィシュマさんになってしまう」と入管側に適切な治療を訴えている。直近の1月17日の代理人弁護士との面会では歩行できず、ベッドに乗せら
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「断末魔のような声」 映像みた階議員が明かすウィシュマさんの様子
2022/1/16 18:00深掘り動画あり 2907文字名古屋出入国在留管理局(名古屋市)に収容中だった昨年3月に死亡したスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)の監視カメラ映像を閲覧した立憲民主党の階猛衆院議員に話を聞いた。死亡直前は「断末魔のような声」が発せられていたと明らかにし、即座に救急車を呼ばなかった出入国在留管理庁(入管庁)
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迫る危険 日本へ退避待つアフガン人元留学生 コロナで水際強化
2021/12/29 15:00深掘り 5675文字「日本に退避したい。アフガニスタンは危険なんです」。男性はオンライン通話でそうつぶやくと目を伏せた。日本への元留学生でアフガン政府職員だったが、8月に全土を制圧したイスラム主義組織タリバンの関係者に脅され「命が危ない」と第三国に脱出。日本行きのビザ(査証)が出るのをじりじりと待つ毎日だ。助けを求め
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ウィシュマさん死亡直前のビデオに映っていたもの
2021/12/6 17:00深掘り 3934文字名古屋出入国在留管理局(名古屋市)で収容中の3月に死亡したスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)の死亡前の様子が少しずつ分かってきた。出入国在留管理庁が「保安上の理由」などから全面公開していなかった死亡直前の監視カメラ映像について、遺族代理人が裁判所に「証拠保全」を申し立て、裁
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日本の狂騒「理解しがたい」 海外メディアが見た小室眞子さん結婚
2021/11/16 15:30深掘り 2623文字米ニューヨークに11月14日到着し新生活を始めた小室眞子さん、圭さん夫妻。その動向についての報道は、日本メディアほどではないにせよ海外媒体も続けている。どんな思いで伝えているのか、一部の記者に聞いてみると、日本での報道やオンラインコミュニティーでの狂騒ぶりに対する「割り切れない思い」も浮かび上がっ
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論点
アフガン、どう支援
2021/11/12 02:01注目の連載 3944文字イスラム主義組織タリバンがアフガニスタンの実権を掌握してからまもなく3カ月。テロ攻撃や武力衝突が続き、人口の過半数が食料不足に直面して「援助なしでは数百万人が餓死しかねない」と国連は警告する。苦しむ人々に対してどのような支援が可能なのか。現地と日本の関係者に聞いた。【聞き手・和田浩明】 ◇タリバン
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