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木内登英氏に聞く ロシアのデフォルトより注意すべきシナリオ
2022/3/15 10:00 2105文字ウクライナに侵攻したロシアの経済が揺らいでいる。欧米が主導する経済制裁を受け、政府の借金である国債の利払いなどができなくなるデフォルト(債務不履行)が現実味を帯びてきた。だが、野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英さんは「世界経済にとって、ロシアのデフォルトよりさらに悪いシナリオがあ
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専門家「経済制裁に抜け道」 各国がロシアに「手加減」する理由
2022/3/3 07:00 1452文字「ロシアへの経済制裁には抜け道がある」。国連安全保障理事会のイラン制裁委員会専門家パネルのメンバーを務めた経験があり、経済制裁に詳しい鈴木一人・東大公共政策大学院教授(国際政治経済学)はこう語る。ロシアに「手加減」せざるを得ない理由とは――。 ――主要7カ国(G7)が、国際的な金融機関の決済網であ
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欧米、国際決済網からロシア排除 自らの打撃覚悟で最後の手段に
2022/2/27 21:42深掘り 3759文字ウクライナに侵攻を続けるロシアへの経済制裁として、欧米諸国がロシアを国際的な金融ネットワークから排除する新たな措置に踏み切った。経済制裁では最後の手段を意味する「核オプション」と言われてきた措置だ。ロシア経済が大きな打撃を受けるのは必至だが、世界経済への影響も懸念される。欧州では慎重な声も出ていた
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みずほシステム障害 失敗学で考える原発事故との「共通点」
2022/2/19 10:00深掘り 2848文字あきれている人も多いのではないか。みずほ銀行が昨年から繰り返し起こしているシステム障害は、通算11回となった。失敗を分析して次に生かす「失敗学」を提唱し、政府による東京電力福島第1原発事故の事故調査・検証委員会委員長を務めた畑村洋太郎・東大名誉教授(81)は、繰り返されるみずほのシステム障害につい
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物価上昇「可能性極めて低い」 黒田日銀総裁インタビュー
2022/2/10 14:00 1052文字日銀の黒田東彦総裁が毎日新聞の単独インタビューに応じた。資源価格の高騰などを背景に世界的に高インフレ(物価上昇)懸念が強まっているが、「日本の場合、消費者物価が大きく上昇する可能性は極めて低い」と指摘。「金融緩和の縮小や引き締め方向への切り替えはあり得ない」と現行の金融政策の修正を強く否定した。
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黒田日銀総裁 異次元緩和の正常化「議論しない」 後世に重い課題
2022/2/10 14:00 2319文字日銀の黒田東彦総裁は毎日新聞のインタビューで、物価上昇率2%の目標達成に向けて、2023年4月の総裁任期満了後も「もう少し長く金融緩和を続ける必要がある」と語った。しかし、当初2年の想定だった大規模金融緩和(異次元緩和)は9年弱に及び、副作用も指摘される。緩和をどう手じまいするのかという「出口戦略
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黒田日銀総裁一問一答 任期あと1年 続投は? 出口戦略は?
2022/2/10 14:00 2839文字日銀の黒田東彦総裁は毎日新聞のインタビューで、大規模な金融緩和について「9年近くの緩和で(2%の物価上昇)目標が達成されていないのは大変残念だが、デフレ(物価下落)ではない状況になった」と評価した。自らの任期が満了する2023年4月時点でも目標達成は難しい見通しで、「さらにもう少し長く緩和を続ける
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みずほの「波風立てない」体質変わるか? 新経営陣、手腕は未知数
2022/1/17 21:28深掘り 2481文字傘下のみずほ銀行でシステム障害が相次いだみずほフィナンシャルグループ(FG)が17日、新たな経営体制を発表した。改めて再発防止策を盛り込んだ業務改善計画も公表。システム部門の人員増強などを盛り込んだ。みずほは、金融庁に「言うべきことを言わない、言われたことだけしかしない」と企業体質の問題を指摘され
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「納得感あるシナジー」問われるSBI TOB効果の拡大なるか
2021/12/22 13:30 1714文字新生銀行に対する株式の公開買い付け(TOB)を成功させ、傘下に収めたインターネット金融大手、SBIホールディングス(HD)の北尾吉孝社長は22日、東京都内で記者会見し、新生銀の公的資金を返済する方法として「新生銀の非上場化も有力な選択肢」と述べた。 SBIは傘下に地銀を置いて進める「第4のメガバン
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引責辞任で「解体的出直し」迫られたみずほ 自浄作用のなさ露呈
2021/11/26 20:59深掘り 2218文字システム障害を繰り返したみずほ銀行と親会社のみずほフィナンシャルグループ(FG)が、トップの引責辞任という「解体的出直し」を迫られることになった。2002年の発足以降、風通しの悪さなどの企業風土の問題を繰り返し指摘されてきたみずほに最後通告が突きつけられた。 「本質的にすべて経営の問題だ。人心を一
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再考エネルギー
グリーンに染まる世界のマネー 金融市場は世界を変えられるか
2021/11/22 17:00深掘り 3660文字脱炭素社会の実現へ巨額のマネーが動き出した。お金の流れを変えることで化石燃料に依存するエネルギービジネスを市場から退場させようとする潮流が背景にある。「グリーンマネー」で地殻変動を始めた金融市場は世界を変えることができるのか。 ◇脱炭素にマネーを 「今、重要なのは行動だ。資本を低炭素の未来に投資す
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「景気にマイナス」 元日銀理事が語る物価上昇の行く末
2021/11/22 06:01 2419文字食品など身近な商品の値上げが相次ぐ現状について、元日銀理事の門間一夫・みずほリサーチ&テクノロジーズエグゼクティブエコノミストは「景気にマイナスの影響が出るのは明らか」と話す一方、「長期的にみれば日本の物価は上がらない」と予想する。どういうことなのか。物価の現状と今後について詳しく聞いた。【聞き手
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オーケーvsH2O 関西スーパー争奪、法廷闘争へ 株主総会で何が
2021/11/9 20:49 2157文字百貨店大手、エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングとディスカウントスーパー大手、オーケー(横浜市)による関西スーパーマーケットの争奪戦が法廷闘争に発展した。オーケーは9日、関西スーパーの臨時株主総会でH2Oとの経営統合案が僅差で可決されたことについて「疑義が生じた」として、神戸地裁に統合差し止め
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FRBの金融緩和縮小、対応迫られる世界 取り残される日本への影響
2021/11/4 21:51深掘り 3144文字米連邦準備制度理事会(FRB)が3日、新型コロナウイルス感染拡大を受けた緊急措置として実施してきた大規模な金融緩和の縮小開始を決めた背景には、金融緩和で景気が過熱し、物価上昇(インフレ)に歯止めがかからなくなることへの警戒感がある。米国で今、何が起きているのか。世界や日本にはどんな影響があるのか。
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アベノミクスの異次元緩和 識者が注目する総裁選4候補の「距離感」
2021/9/18 06:00 2228文字安倍晋三前政権が掲げ、菅義偉政権も引き継いだ経済政策「アベノミクス」で「第一の矢」に位置づけられた大胆な金融政策。これに沿って日銀が始めた「異次元の金融緩和」は9年目に入ったが、2%の物価上昇目標の実現は全く見通せない。自民党総裁選に名乗りを上げた4氏は、この課題をどう考えているのか。金融政策に詳
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カンボジアのデジタル通貨 「Edy」開発者が異国に託した夢
2021/8/23 10:00 3428文字国家の中央銀行がデジタル通貨を発行し、国民がスマートフォンで使う。そんな未来の仕組みを実用化している数少ない国の一つがカンボジアだ。その技術開発を担ったのは、なんと日本のベンチャー企業「ソラミツ」(東京都渋谷区)だという。過去に電子マネー「Edy(エディ)」も開発した宮沢和正社長(65)は「エディ
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「デジタル円」が導入された近未来 日銀出身の専門家に聞く
2021/7/12 06:00 1688文字遠い未来の話ではないのかもしれない。財布の中のお金がデジタル化され、「デジタル円」となる日のことだ。日本銀行に勤めた経験があり、中央銀行(中銀)が発行するデジタル通貨の開発に詳しい麗沢大教授の中島真志さん(63)は「数年後に実現する」とにらむ。デジタル通貨とはどういったもので、暮らしをどう変えるの
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地銀再編、本当に必要か? 規模拡大では描けない大事なビジョン
2021/5/16 16:00 4529文字ずっと違和感を感じてきた。地方銀行の再編を巡る議論についてだ。「地銀は過当競争で、再編が避けられない」と常識のように叫ばれ続けているが、合併すれば問題は解決するのだろうか。規模拡大以外に、本当に生き残る道はないのか。そんなモヤモヤを解消したくて、地域金融機関の事情に詳しいプロたちに聞いてみた。地銀
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みずほ、障害は複合的要因 人材確保・顧客目線…短期の改善困難
2021/4/5 21:11 1217文字みずほフィナンシャルグループ(FG)が5日発表したシステム障害の中間報告では、障害を想定した備えの甘さについて反省の弁が並んだ。記者会見したみずほFGの坂井辰史社長は「極めて深刻な事態だと考えている」と述べ、再発防止に取り組む姿勢を示した。ただ、一連の障害は複合的な要因で起きており、抜本的改善は一
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日銀、緩和長期戦に備え政策修正 「副作用」懸念、手詰まり感も
2021/3/19 20:55深掘り 3314文字日銀は19日に開いた金融政策決定会合で、大規模金融緩和の長期化を見据えた政策の修正を発表した。マイナス金利のさらなる引き下げで収益が悪化する金融機関に実質的な補助金をつける制度を設けたほか、「年6兆円ペース」としている上場投資信託(ETF)の購入方針を見直した。なぜ政策を修正したのか。黒田東彦総裁
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