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声をつないで
「わきまえる女性ばかりの男女平等」に注意 社会学者の警鐘
2021/4/18 16:00 3809文字政府の「女性活躍」をけん引してきた人たちの危うい言動に注目が集まっている。男女共同参画担当相の丸川珠代氏が選択的夫婦別姓制度に反対したことは記憶に新しい。一方、稲田朋美・元防衛相は選択的夫婦別姓に反対の立場を最近になって変え、自民党内でも女性の幹部登用などを求めている。両氏は立場が異なるようにも思
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「生活からかけ離れている」社会学者が読み解く五輪への逆風
2021/3/4 13:30 2737文字東京オリンピック・パラリンピックの開催を巡っては、2月の森喜朗・組織委前会長の女性蔑視発言だけでなく、安倍晋三前首相の「アンダーコントロール」発言や招致を巡る不正疑惑など、ことあるごとに批判の声が上がってきた。「『メガイベント』の開催そのものが難しい時代になっている」。そう指摘するのが社会学者の酒
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なぜ「女性の広報官」を強調? 首相発言に感じたモヤモヤ
2021/3/3 16:00 2586文字もやもやした違和感を覚えている。続投方針から一転して1日に辞任を表明した、山田真貴子内閣広報官を巡る言説のことだ。先月24日、続投について理由を説明する際、菅義偉首相は「女性の広報官として期待しておりますので」と述べた。菅首相は1日にも「女性のきめ細かさと、あるいは日本の女性の官僚の数も少ないです
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私たちはなぜ怒りが必要なのか 名著「ディスタンクシオン」に学ぶ
2021/2/20 10:00 5251文字今、注目されている専門書がある。フランスの社会学者ピエール・ブルデュー(1930~2002年)の代表的な著作「ディスタンクシオン」だ。日本語訳の初版は1990年だが、昨年11月に「普及版」が発売された。NHKの人気番組「100分 de 名著」で取り上げられて話題になり、既に3刷を数える。それにして
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声をつないで
なぜ「笑い声」?女性蔑視発言と日本の病理をジェンダー論で見る
2021/2/18 17:00 3546文字ようやくか、と思った人も多いのではないか。女性蔑視発言の責任を取って、森喜朗・東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長が辞任を表明したことである。この問題を巡っては、森氏が差別発言を行った際に会合参加者から笑い声が上がったことや、政府・与党から森氏をかばう言動が相次いだこと、さらには後任とし
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「お母さん食堂」名称の変更求める署名活動「炎上」と日本の現実
2021/2/7 08:00 3851文字「お母さん食堂」という名称を変更してほしい--。コンビニ大手・ファミリーマートが販売する総菜のシリーズ商品を巡り、インターネット上でこんな署名活動が行われた。「食事は母親の担当するもの、という意識が社会に植え付けられてしまう」というのが主な理由だ。なるほどそうだな、と思ったのだが、一方で「民間企業
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出会いも ヘイトも 音声SNS「Clubhouse」の魅力とリスク
2021/2/6 14:00 3435文字音声でコミュニケーションするSNSアプリ「Clubhouse」(クラブハウス)のサービス提供が日本でも1月下旬から始まった。「音声版ツイッター」とも呼ばれ、気軽に雑談したり、他の人の雑談を聞いたりできる新しいSNSだ。米国では昨年春ごろから新型コロナウイルス感染拡大で巣ごもりする人たちの間に一気に
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#自助といわれても
「8050問題」 ひきこもりの弟と向き合う姉「駅のホームで意識を失った」
2021/1/3 07:00 4117文字61万3000人--。内閣府が2019年に発表した全国の40~64歳のひきこもりの推計だ。ひきこもりの子と親が高齢化し、生活に困窮する「8050問題」の深刻化が叫ばれて久しい。記者は、ひきこもりの当事者ではなく、彼らを支えるきょうだいが集まる会合に出かけ、そこである女性と出会った。彼女は「私がすべ
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GoToで、お客の緊張感が抜けた… 第3波 スーパー「アキダイ」社長、店頭での危機感
2020/12/28 11:00 2761文字この方に見覚えはないだろうか。スーパー「アキダイ」社長、秋葉弘道さん(52)。「野菜価格が高騰した」などのニュースが流れるたびにテレビでよく見かける。特に今年はコロナ禍により、店頭からトイレットペーパーやカップ麺が一時売り切れ、品薄状態になるなど、家計にまつわるニュースが多かった。その秋葉さん、「
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「秘書がやった」議員秘書はどう聞いた 桜前夜祭「不記載」、安倍氏は不起訴
2020/12/25 06:00 1910文字安倍晋三前首相の後援会が主催する「桜を見る会」の前夜祭を巡り、東京地検特捜部は安倍氏を不起訴とする一方、配川博之・公設第1秘書を政治資金規正法違反(不記載)で略式起訴した。安倍氏自身は関与を否定したというが、本当に秘書だけが独断でやったのだろうか。安倍氏に責任は無いのだろうか。現役秘書や秘書経験者
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「フィクションってことにしませんか」で炎上 プラットフォームメディア「cakes」 編集姿勢に批判
2020/12/12 11:00深掘り 3315文字「フィクションってことにしませんか」。担当編集者からそんな提案を受けたライターが、連載中止に至るまでのやりとりの一部始終を公表した。多様な分野のコンテンツを集めて急成長したプラットフォームメディア「cakes(ケイクス)」の編集姿勢が批判にさらされている。中止になった連載企画は友人の自死を巡るノン
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見る探る
山手線のマイナー駅・田端は、なぜ「天気の子」の聖地になったのか
2019/11/1 16:10 3270文字新海誠監督の最新作「天気の子」が好調だ。7月の封切り後、興行収入は140億円に達し、現在も全国で上映が続く。第92回米アカデミー賞国際長編映画賞部門の日本代表に選ばれ、第47回アニー賞でも長編作品監督賞など計4部門でノミネートされた。映画のラストシーンでは、東京を周回するJR山手線の田端駅が舞台に
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「有権者全体の責任も」「ネタで差別あおるな」…N国・立花氏「虐殺」発言で波紋
2019/9/29 18:58 2145文字NHKから国民を守る党(N国)の立花孝志党首が、動画投稿サイトで公開された対談で、世界の人口増加への対応について「あほみたいに子供を産む民族はとりあえず虐殺しよう」などとジェノサイド(大量虐殺)を容認するような発言をしたことに対し、SNSなどで批判の声が上がっている。立花氏は27日にアップした動画
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遺作まで1年の往復書簡 早世の哲学者が書き残したこと
2019/9/26 18:54 4700文字7月22日午前9時過ぎ、京都にある病院の一室で、ある哲学者が息を引き取った。宮野真生子(まきこ)さん、42歳。8年前からがんと闘病した末の他界だった。「偶然性」の本質の解明に取り組んだ哲学者・九鬼周造(1888~1941年)の研究者として、偶然性や出会い、恋愛や家族、性などもテーマにして哲学を研究
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「表現の不自由」考
「芸術の自由」なぜドイツは憲法に明記するのか 奥山亜喜子教授
2019/9/1 11:36 4042文字「多額の税金を使ったところで(展示を)しなくてもいい」(河村たかし名古屋市長)、「補助金交付の決定にあたっては事実関係を確認、精査して適切に対応したい」(菅義偉官房長官)――。国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」の企画展「表現の不自由展・その後」が中止された問題で、公人から文化芸術支援に関するこうし
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「表現の不自由」考
「私たちは表現の自由の境界線に立っている」出展作家・朝倉優子さん
2019/8/29 07:30 3271文字「ほんの小さなことでも、私たちは表現の自由を守るために闘ってきた。表現の自由が後退したなんて簡単に言わないで」。国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で中止された企画展「表現の不自由展・その後」の出展アーティストの一人、朝倉優子さん(55)=神奈川県藤沢市=は、津田大介・芸術監督の言葉を引き合
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「表現の不自由」考
「政治は芸術活動に口出しすべきではない」 志田陽子武蔵野美大教授 「表現の不自由展・その後」中止問題
2019/8/8 15:59 3460文字国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で、元従軍慰安婦を題材とする「平和の少女像」などを展示した企画展「表現の不自由展・その後」が中止された問題。河村たかし・名古屋市長が一部作品の撤去を要請し、インターネット上で企画展を非難する声が多く上がった一方、国内外のアーティストらからは企画展継続を求め
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表現の不自由「年表の最後にこの企画展」議員会館で抗議集会
2019/8/7 20:02 636文字国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が脅迫や抗議を受けて中止された問題で7日、緊急集会が東京都千代田区の衆院第2議員会館で開かれた。約140人が企画展中止に抗議し、再開を訴えた。 集会は市民団体「表現の自由を市民の手に 全国ネットワーク」が主催。同団体世話人
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静かな会場と激しいネット「表現の不自由展・その後」その後ルポ
2019/8/5 23:37 1305文字「表現の自由を後退させる事例をつくってしまった」――。芸術監督の津田大介氏が3日の記者会見でそう語った国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」の中止問題。中止された「その後」の現場はどうなっているのかを知りたくて翌4日、名古屋市の会場へ向かった。【待鳥航志/統合
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「少女像」展示再開求めデモ集会に200人「表現の自由の弾圧だ」名古屋
2019/8/4 22:30 615文字愛知県内で開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で、従軍慰安婦を題材とした「平和の少女像」などの展示が中止された問題で、中止に抗議するデモ集会が4日、名古屋市内の公園で開かれた。約200人が参加して展示の再開を求め、さらに河村たかし・名古屋市長による少女像の撤去要請について「表現の自由
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