-
FRB、吹き飛んだ楽観論 「0.75%利上げ」苦渋のサプライズ
2022/6/16 21:07深掘り 2354文字米国の連邦準備制度理事会(FRB)が、異例の大幅利上げに踏み切った。欧州中央銀行(ECB)も来月利上げする方針だ。世界的にインフレ退治が本格化しているが、景気を冷え込ませるリスクもはらんでおり各国の金融当局は難しいかじ取りを迫られている。 ◇景気冷却リスク、改めて浮き彫り 「インフレはこの1年で明
-
「100万円」で高級マンションのオーナーに? デジタル証券とは何か
2022/6/4 11:30 2526文字1口100万円で高級マンションのオーナーに――。こんなにわかには信じがたいビジネスが動き出している。これを可能にしたのは、ブロックチェーン(分散型台帳)などの最新技術を活用した「デジタル証券」という新たな金融の仕組みだ。金融大手もこぞって参入している注目分野だが、うまい話には何か裏があるのではない
-
邦銀、あらわになったロシアリスク 与信残高1兆円、損失拡大の恐れ
2022/5/16 18:15 1958文字ウクライナ侵攻に伴う経済制裁で見通しが立たなくなったロシアでのビジネス。銀行業にも影響は及び、三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)、三井住友FG、みずほFGの大手銀行3グループは16日までに発表した2022年3月期決算で、ロシア企業に投融資したお金が回収できない場合に備えた「引当金」を計約3
-
「日銀は子会社」 安倍元首相発言が波紋 政府が慌てる理由
2022/5/11 21:13 1424文字「日銀は政府の子会社だ」。安倍晋三元首相の発言が波紋を広げている。市場に混乱が広がる恐れもあり、慌てた政府は火消しに躍起だ。安倍発言はそれほどの危険性をはらんでいる。 問題の発言は9日に大分市で開かれた講演で飛び出した。安倍氏は「(政府の)1000兆円の借金(国債)の半分は日銀が買っている」とした
-
日銀、経済回復優先で低金利維持 視線厳しさ増す 20年ぶりの円安
2022/4/29 04:00深掘り 2231文字外国為替市場の円相場は28日、20年ぶりに131円台に突入した。低金利環境を維持しようとする日銀と、高インフレ(物価上昇)を抑制しようとする海外中銀との政策の違いが急速な円安につながっている。日銀は円安がもたらす経済への好影響をなお主張するが、輸入企業や家計の負担は増しており、金融政策に向けられる
-
-
独り負けの円安「止める手段、一つだけある」 野口悠紀雄氏の答え
2022/4/28 15:13 2371文字円安が止まらない。対ドル相場は20年ぶりの円安・ドル高水準となり、他の主要通貨に対しても円の「独り負け」の状況が続く。輸出立国の日本では長く、「円安は日本経済にプラスに働く」と言われてきたが、輸入品の高騰など生活にも影響が広がる中、その見方を疑問視する声も少なくない。円安で日本経済はどうなるのか。
-
止まらぬ円安、1ドル128円台 財務相の「口先介入」効果なく
2022/4/19 21:04 1078文字19日の東京外国為替市場で円相場が一時1ドル=128円台を付け、2002年5月以来の約20年ぶりの円安水準となった。政府や日銀は市場をけん制する「口先介入」で急激な円安に歯止めをかけようとするものの目立った効果は見られず、130円台が現実味を増してきた。 「急速な変動は望ましくない。緊張感を持って
-
20年ぶり円安、どんな影響が 「悪い円安」懸念も打つ手限られ
2022/4/13 21:01深掘り 2314文字13日の東京外国為替市場で円相場が1ドル=126円台と約20年ぶりの円安水準をつけた。円安は輸出企業への追い風となるが、輸入物価の上昇を通じて企業や家計の負担が膨らむ悪影響をもたらす。急ピッチで進む足元の円安は、景気悪化を招きかねない「悪い円安」との懸念も強まるが、円安に歯止めをかけるために日本が
-
資源高が景況感押し下げ、半導体不足も 日本経済、先行き不透明
2022/4/1 21:42 892文字1日発表の日銀短観では、新型コロナウイルス感染拡大のマイナス影響が長引く中で、資源高によるコスト上昇が多くの企業の足かせになっている実態が浮かび上がった。日本経済はこの先どうなるのか。識者に聞いた。 「資源高で日本経済全体に税金を課されているようなものだ。当面の景気は伸びが抑えられることになる」。
-
戦火の春闘 コロナ禍からの回復二極化 ウクライナ危機が追い打ち
2022/3/16 20:50深掘り 2590文字2022年春闘は16日に集中回答日を迎え、新型コロナウイルス禍から業績が回復する企業は高水準の賃上げで妥結した。春闘の期間中にロシアがウクライナに侵攻して物価上昇に拍車がかかる中、二極化や形骸化が進む春闘が景気の好循環を生み出せるかは未知数だ。 ◇物価上昇が景気の好循環に影 16日には鉄鋼や電機、
-
-
12年ぶりに日本に再参入 韓国・現代自動車をあなどれない理由
2022/3/12 07:00 2728文字韓国最大の自動車メーカー、現代(ヒョンデ)自動車が日本市場に再び戻ってきた。約20年前の参入では韓流ブームの追い風の中で撤退に追い込まれたにもかかわらず、なぜ再挑戦するのか。背景には日本での電気自動車(EV)ビジネスを巡る海外メーカーの思惑が見え隠れする。 ◇再参入は「おわび」から 「お客様にはご
-
トヨタ、供給網のもろさ露呈 サイバー攻撃で国内全工場停止
2022/3/1 21:29深掘り 1294文字トヨタ自動車は1日、稼働を停止していた国内全14工場28ライン(日野自動車とダイハツ工業を含む)を2日から再開すると発表した。取引先の部品メーカーがサイバー攻撃を受けシステム障害で部品供給が困難になっていたが、暫定的にシステムを復旧させた。世界各国で被害が拡大している身代金要求型コンピューターウイ
-
欧米、国際決済網からロシア排除 自らの打撃覚悟で最後の手段に
2022/2/27 21:42深掘り 3759文字ウクライナに侵攻を続けるロシアへの経済制裁として、欧米諸国がロシアを国際的な金融ネットワークから排除する新たな措置に踏み切った。経済制裁では最後の手段を意味する「核オプション」と言われてきた措置だ。ロシア経済が大きな打撃を受けるのは必至だが、世界経済への影響も懸念される。欧州では慎重な声も出ていた
-
「集団感染起きたら…」対応強化に追われる企業 BCP策定急務
2022/1/19 16:50深掘り 2545文字政府は19日、東京など1都12県への「まん延防止等重点措置」の適用を決めた。新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の急速な感染拡大を受け、企業は対応に追われている。従業員への感染拡大で、トヨタ自動車が工場の一部操業停止に追い込まれるなど影響が出始めている。インフラである鉄道などでは、運行業務か
-
建設進むトヨタ「未来都市」 地元出身記者だから分かる違和感
2022/1/14 06:30 2770文字トヨタ自動車がウーブン・シティと名付けた“未来都市”の建設を静岡県裾野市で進めている。自動運転など最先端技術を実証実験する場との触れ込みだが、いまだ詳しい全体像は明らかにされていない。2021年4月からトヨタを取材する記者(31)は偶然にも予定地付近の出身。地元を歩くと期待の声が聞こえる一方、既に
-
-
「EV戦国時代」へ 参戦を本格検討のソニー、見つめる世界の流れ
2022/1/5 20:42 1543文字ソニーグループが5日(日本時間)、電気自動車(EV)市場への参入を本格検討すると表明したことで、業種をまたいだ開発競争が一段と熱を帯びそうだ。販売台数で先行する米EV大手テスラを、独フォルクスワーゲン(VW)や米ゼネラル・モーターズ(GM)、トヨタ自動車など世界的大手が猛追。中国のEVメーカーも台
-
「脱炭素化ランキング」でトヨタを最下位に グリーンピースの真意
2021/12/28 20:18 1737文字11月に世界の自動車メーカーの「脱炭素化ランキング」を発表し、トヨタ自動車を「最下位」に位置づけて注目を集めた環境NGOグリーンピース。リポートの執筆メンバーのダニエル・リード氏(31)が28日、毎日新聞のオンラインでの単独インタビューに応じ、ランキングの真意などについて語った。【聞き手・杉山雄飛
-
自動車業界の「脱炭素」主導できるか トヨタに問われる覚悟
2021/12/14 21:23深掘り 3204文字トヨタ自動車が、電気自動車(EV)の販売目標を大幅に引き上げた。これまで「EVに後ろ向き」と評されてきたが、EVへの積極姿勢をアピールする方針に転じた形だ。脱炭素に向けた世界的な流れが強まる中、欧米メーカーを中心に競うようにEVシフトを打ち出しており、世界トップメーカーであるトヨタの本気度が問われ
-
再考エネルギー
使われなくても増えていく水素予算の謎
2021/12/7 17:00 3640文字走行時に温室効果ガスを排出せず、エネルギー効率も高いことから「夢の自動車」と言われてきた水素で走る燃料電池車(FCV)。ガソリンに代わる次世代環境車の切り札として期待されているが、肝心の水素燃料補給所の普及が進まない。整備を後押しする補助事業も予算が使われないほど低調だ。しかし、投じられる予算額は
-
「柿の種」世界へ インド人副社長に託した海外販路開拓
2021/12/3 11:00 2088文字米菓最大手「亀田製菓」(新潟市)が看板商品「亀田の柿の種」の世界展開を本格化させている。国内市場では圧倒的なシェアを誇るが、海外での知名度は今一つ。ピリリとした味が特徴の「柿の種」は海外の消費者の心をつかめるのか。戦略を託されたのは「柿の種」にほれ込んだインド人の副社長だった。 ◇米菓の巨人の危機
-
もっと見る