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消えたロシア材 ウクライナ侵攻で「ウッドショック」が再燃
2022/5/21 05:00 2510文字最近、木材価格が高騰している。ロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに、森林大国ロシアの木材が姿を消したためだ。なぜロシア材はなくなったのか。それは、日本にどのような影響を及ぼすのだろうか。 ◇追い詰められる住宅業界 「ロシア材の入荷が見込めなくなることで、(木材調達は)これから厳しくなっていく。調
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母の日を前にカーネーション品薄 こんなところにも戦争の影
2022/5/2 17:00 1755文字5月8日は母の日。この日を前に色鮮やかなカーネーションが生花店の売り場に並ぶが、今年は例年に比べ品薄な状態という。何が起きているのか。 ◇切り花の仕入れ値は2~3割高 東京都台東区の「花ふじ生花店」では、前の年に比べ、カーネーションの切り花の仕入れ値が2~3割ほど高くなったという。運営会社社長の小
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「もうやっていけない」農家が悲鳴 ウクライナ侵攻が関係する理由
2022/5/1 08:00 1554文字「もう、これ以上やっていけない」。こうした悲痛な声が各地の農家から上がっている。生産に必要な物資の値上げが経営を圧迫しており、ロシアのウクライナ侵攻を経て、さらに高騰しているためだ。現場や背景を取材した。 ◇年40万円の負担増 「ここまで高くなるのは初めて」。千葉県船橋市で25年前から農業を営む柳
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物価高騰対応? 選挙意識? 参院選前に渦巻く大型経済対策の思惑
2022/3/29 19:52深掘り 2139文字岸田文雄首相が29日に策定を指示した「総合緊急対策」。ロシアのウクライナ侵攻に伴う原油や食料の価格上昇を受け、4月中に具体策をまとめる方針だ。ただ、7月の参院選を見据え、補正予算を伴うさらに大規模な経済対策を求める声も与野党で強まっている。 ◇ガソリン価格の高騰対策が焦点に 「原油価格や物価の高騰
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物価高は名目 予算成立前に「ばらまき」要求殺到、その裏事情
2022/3/21 07:00深掘り 2253文字2022年度一般会計当初予算案が22日にも成立する。一般会計の歳出規模は107.6兆円と過去最大だ。ただ、与野党の視線は既に7月に想定される参院選に向いており、新たな「ばらまき」要求が殺到している状況だ。国の借金に当たる「国債」の発行残高は21年度末に1000兆円を超える見通し。果たして日本は大丈
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ガソリン高対策の秘策?トリガー条項、補助金との違いは
2022/3/13 06:00 2870文字原油価格の高止まりが続く中、ガソリンにかかる税金の一部を一時的に引き下げる「トリガー条項」の発動検討を求める声が与党内からも上がり始めた。石油元売り会社に直接、補助金を支給する政府の燃油高騰対策に限界が見え始めたことが一因だが、政府・自民党にはトリガー条項への拒否反応が強い。トリガー条項と補助金は
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ロシア経済破綻の可能性 制裁包囲網が威力 世界経済に返り血も
2022/3/1 21:27深掘り動画あり 3130文字ウクライナに侵攻したロシアの経済ががたつき始めた。米国はさらなる金融制裁も辞さない構えを見せるが、世界経済への「返り血」も懸念される。 ◇プーチン氏は制裁に対決姿勢 ロシアのウクライナ侵攻を受け、欧州企業のロシア離れが進んでいる。 「今回の軍事行動で、(ロシア)国営企業であるロスネフチとの関係を単
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震災の経験なぜ生かせない?「コロナ特会」の可能性を探る
2022/2/27 06:00 2280文字長引く新型コロナウイルス禍への対応で政府の財政は火の車だ。しかし、借金返済に充てる財源に関する議論はまともに行われず、将来の負担増に漠然とした不安を抱いている人も多いのではないだろうか。間もなく発生から11年になる東日本大震災の際は特別会計をつくり、臨時増税など財源も明確にした。コロナ禍でも同じよ
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PB黒字化、26年度に前倒し 内閣府試算 「現実離れ」批判も
2022/1/14 19:08 1512文字内閣府は14日、経済・財政に関する中長期試算をまとめ、経済財政諮問会議で報告した。政策経費を借金に頼らず、どれだけ賄えているかを示す「基礎的財政収支」(プライマリーバランス=PB)について、経済の高成長が続いた場合の黒字化時期を2026年度とし、前回の試算(21年7月時点)より1年前倒しした。ただ
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住宅ローン減税の「不公平」 改正阻む政治の壁 問われる決断力
2022/1/9 15:00 2424文字ローンを組んでマイホームを手に入れた人にとっては欠かせないものとなっている「住宅ローン減税制度」。2022年度税制改正大綱でも減税規模は実質維持され、もはや恒常的な制度と化している感すらある。しかし、政策効果や公平性をめぐっては疑問視する声があるのも実態だ。 ◇制度自体が「時代遅れ」? 「住宅政策
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書き換え「慣習継承」 一斉点検でも発覚せず 国交省、統計二重計上
2021/12/15 21:28深掘り 3303文字国の基幹統計「建設工事受注動態統計」を巡って、国土交通省が建設業者の提出した調査票を無断で書き換えるなどして二重計上していた。なぜこうした事態が8年にわたり明るみに出なかったのか。正確さを欠いた基幹統計はどういった悪影響を及ぼすのか。政府・与党は幕引きを図るが、野党は反発している。 ◇「悪意はなか
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賃上げ税制は「アメ」と「ムチ」 22年度税制改正の大枠固まる
2021/12/8 20:57 1724文字政府・与党は8日、2022年度税制改正大綱の大枠を固めた。最大の焦点となっていた「賃上げ税制」については法人税から差し引く控除率を大幅に引き上げたうえで、賃上げに消極的な企業を投資減税の対象外にするなど企業の姿勢に応じて税制優遇に差をつけた。これらを盛り込んだ与党税制改正大綱は10日にも正式決定す
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ガソリン価格高騰 対策の切り札?「トリガー条項」ハードル高し
2021/11/18 06:00 1895文字ガソリン価格の高騰が止まらない。政府は石油元売り業者への補助金支給など対策を打ち出してはいるものの、高止まり傾向は当面、解消しそうにない。家計や事業者の負担が日増しに重くなる中、ガソリン税の一部を一時的に課税停止する「トリガー条項」の発動を求める声も出始めた。しかし、実現には高いハードルがあるよう
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内部留保484兆円 企業の「防波堤」か、経済の「足かせ」か
2021/11/7 13:00 2583文字企業内に蓄積された利益にあたる「内部留保」(利益剰余金)が2020年度、過去最高の484兆円に達した。経済の先行きが見通しづらい中、できるだけ手元にお金を確保して「万が一」の事態に備えたい思惑が働いたとみられる。 内部留保に対しては「企業が巨額の利益を上げる一方、従業員の賃上げや設備投資に回さずに
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コロナ禍で知った行政の非効率さ 行動する10代、政治への期待は
2021/10/18 10:00 1960文字「『未来をつくるのは子どもたち』と言いながら、若者の話を聞かずに政策が決まっています」。政治や社会の現状をそう痛烈に批判するのは、大阪の高校1年生、川崎レナさん(16)だ。川崎さんは、環境・人権関連の国際NGOで活動する傍ら、2020年10月からバイオベンチャー企業「ユーグレナ」が18歳以下限定で
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岸田首相が意欲を示す「賃上げ税制」 給料は本当に上がるのか?
2021/10/16 18:00 1972文字給与を引き上げた企業は、税制面で優遇します――。「格差是正」を掲げる岸田文雄首相は、税制面で企業の賃上げを促す「賃上げ税制」を促進する方針だ。新型コロナウイルス禍で国内経済の冷え込みが続く中、給料アップにつながる起爆剤となるか、それとも不発に終わるのか。実態を探った。 ◇岸田氏「私が先頭に立って引
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嵐を呼んだ財務次官の「ばらまき合戦」批判 異例の寄稿にざわつく訳
2021/10/12 20:25深掘り 2209文字財務省の矢野康治事務次官が月刊誌「文芸春秋」に寄稿した論文が波紋を広げている。衆院選を控えた各党の政策論争を「ばらまき合戦」などと批判しており、与党内からは不満の声も上がる。裏方であるはずの現職官僚トップは、なぜ異例の寄稿をしたのか。 ◇財務相、必死の火消し 「事前に麻生(太郎)前大臣の了解を取っ
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法人最低税率15%、アイルランドが承認 歴史的な国際合意が決着
2021/10/8 21:31深掘り 2331文字巨大多国籍企業を念頭に置いた課税ルールについて、歴史的な転換が実現した。経済協力開発機構(OECD)を舞台にした交渉で、態度を保留してきたアイルランドなどが法人税の最低税率を「15%」とすることに賛同。法人税の引き下げ競争に歯止めをかける国際課税のルール策定は決着し、デジタル社会に対応した新たな税
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岸田首相のブレーンが明かす 新政権の経済戦略の核心
2021/10/7 14:00 1758文字「成長と分配の好循環」を掲げる岸田文雄・新政権が4日発足した。新型コロナウイルス禍で傷んだ日本経済の課題をどう解決するのか。少子高齢化が進む中で、社会保障改革も待ったなしだ。岸田氏の経済政策のブレーンで、総裁選の公約作りの中心となった村井英樹衆院議員(41)に岸田政権の経済政策の核心を聞いた。【聞
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財務省に8年9カ月、麻生氏ついに退任 「大きな武器失った」
2021/10/4 20:22 1469文字岸田内閣の発足に伴い、2012年12月から8年9カ月にわたって財務・金融担当相を務めてきた麻生太郎氏(81)が4日、財務省を去った。在任期間は戦後最長となり、麻生氏の力に頼ってきた省内からは惜しむ声も漏れる。他の経済閣僚も軒並み交代となり、財政や経済政策を担う顔ぶれは一新。新型コロナウイルス下の日
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