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社会人野球

イップス乗り越え復活 ホンダ熊本・隈部投手

更なる飛躍を誓う隈部投手

投手陣チーム最年長「監督の期待に応えたい」

 社会人野球ホンダ熊本(大津町)の隈部智也投手(28)は今季、全選手で4番目の年長となった。昨季のプロ野球で戦力外通告や現役を引退するなどした日本人選手の平均年齢は29.6歳。隈部投手の引退の時も年々と近づいているが「周囲の評価を気にしていた昔と比べると、長い選手生活で今が一番野球を楽しめている」と表情に曇りはない。

 古豪、熊本工高時代は2年生の2006年夏、3年生の07年春と2季連続で甲子園に出場し、07年は同高としては選抜で49年ぶりとなる4強入りを果たす。「スランプでも自分で何とかしてきた」。順風満帆な時は絶対的な自信があった。

 進学した明治大でも期待を受け、1年生の春に同級生で一番早く神宮球場のマウンドに立ち、東京大を相手に1回を11球で3者凡退に抑えた。だが直後、投球に違和感を覚えた。「捕手の構えるミットに投げることができない」。精神的な原因で起きる運動障害、イップスという初めて直面した壁だった。当時は原因が分からなかったが、「初めての1人暮らしや慣れない人間関係で常に緊張していたのが原因かもしれない」と振り返った。

 明治大野球部の善波達也監督(55)から丁寧な指導も受けたが、制球は乱れたまま。野球を辞めることも考えたが「4年間は辞めない」と奮い立たせた。一般企業への就職も考えていた4年生の春、九州遠征での練習試合がホンダ熊本の関係者の目に留まり、ホンダ熊本の渡辺正健監督(当時)が明治大出身だった縁もあり、12年に入団した。

 しかし社会人になっても制球は定まらない。ある日、渡辺監督から聞かれた。「何で投げさせているか分かるか」。答えられずにいると渡辺監督は「お前はマウンドで腹をくくれるからだ」と言葉を続けた。大学で自信を失った隈部投手にとって、この言葉は「監督の期待に応えたい」という復活への原動力になった。制球の小さな乱れは気にせず、思い切って腕を振り続けているとイップスの症状は消えていった。

 投手陣ではチーム最年長になり、後輩に助言もする。ただ、ふとした時に「あと何年、野球ができるんだろう」と将来を考える。同級生で仲の良かった白石勇太選手(27)は昨季、ユニホームを脱いだ。「親しい選手がチームを離れていく中で野球をできるありがたさが分かるようになった」。私生活では昨年2月、結婚した。「これまでは自分のための野球。これからは応援してくれる周りの人たちを喜ばせたい。その一心です」【清水晃平】

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