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月刊都市対抗

黒獅子旗かけ13日開幕 キーマンは補強選手

 社会人野球の第89回都市対抗野球大会(毎日新聞社、日本野球連盟主催)は13日、東京ドームで開幕する。都市対抗ならではの制度が補強選手だ。代表を逃した同一地区のチームから最大3人を補強できる。今大会は、前年優勝で推薦出場の東京都・NTT東日本を除く31チームに計82人。優勝旗「黒獅子旗」の行方を大きく左右するキーマンに焦点を当てる。

    小木田敦也投手=高野裕士撮影

    「負けず嫌い」で153キロ 仙台市・七十七銀行 小木田(こぎた)敦也投手(19)=TDKから

     2年目右腕の最大の武器は最速153キロの速球だ。

     173センチ、79キロと特に恵まれた体格ではない。なぜ速い球が投げられるのか、自分でもうまく説明できないが、性格は「負けず嫌い」。気持ちで相手を上回る投球が球速を上げさせるのか。

     秋田・角館高からTDK入り。東北2次予選でも速球を軸に力を発揮した。圧巻だったのは、きらやか銀行との敗者復活2回戦だ。

     一回から3者連続三振に仕留めると、七回まで失策と四球による2走者のみ。無安打無得点試合まであと6人となった八回、先頭打者に初安打を許したが、被安打2で完封した。きらやか銀行の本大会連続出場を「2」で止めた。これが社会人初完投。153キロをマークしたのもこの試合だ。

     仙台市・七十七銀行の小河義英監督は「東北ではあそこまでのスピードボールを投げられる投手は少ない」と期待を示す。

     高校1年の2014年夏に甲子園を三塁手として経験した。東京ドームで登板すれば、初めて投手として大舞台に立つことになる。

     昨年の都市対抗で初めてドームを訪れ、観戦した。独特の雰囲気にも「特に何も」と平然。今年、心に決めているのは「ゼロに抑える」ことだけだ。【村田隆和】

    中沢彰太外野手=玉城達郎撮影

    冬に磨いた長打力 狭山市・ホンダ 中沢彰太外野手(23)=JFE東日本から

     今季2年目を迎えた、俊足巧打の左打者だ。「長打力と足があり、チームカラーに合う」と、狭山市・ホンダの岡野勝俊監督の目に留まった。初の本大会に向け「好打者がそろうホンダで多くのことを吸収したい」と向上心にあふれる。

     南関東2次予選は1番・中堅で全5試合に出場。特にホンダとの準決勝で活躍した。一回に右中間二塁打で出塁し先制のホームを踏むと、二回は右翼線への適時三塁打。2次予選6安打中長打が3本を占めた。

     長打力アップはオフのトレーニングが実を結んだ。冬場は毎日1000本近く振り込んだ。さらに昨年11~12月、台湾で開かれたアジアウインターベースボールに参加。捕手出身の石井章夫監督から配球の読みを学んだ。「飛距離が伸びた。狙い球も絞れるようになり、落ち着いて打席に臨めている」と感じている。

     静岡高で2011年夏の甲子園に出場し、早大3年時の全日本大学選手権で優勝した。東京ドームは社会人になって初めての全国の大舞台。自チームでの出場はかなわなかったが「一回り大きくなりたい。それがチームの成長にもつながる」。前評判の高いチームにあっても存在感を発揮する。【真下信幸】

    藤井貴之投手=小出洋平撮影

    流れ呼ぶ投球誓う 神戸市・高砂市 三菱重工神戸・高砂 藤井貴之投手(30)=日本生命から

     日本生命の連続出場が15年で途切れ、入社8年目で初めて補強選手として大舞台に臨む。「自チームで行けない悔しさはあるが、どんな場面でもゼロに抑えたい」。第86回大会(2015年)で2勝を挙げ、橋戸賞(最優秀選手賞)に輝いた右腕はフル回転を誓う。

     185センチ、90キロの恵まれた体格で、スリークオーターから繰り出す直球は重い。スライダーやカットボールを織り交ぜ、打たせて取る。2次予選は全5試合中3試合に先発し、計22回余りを投げて防御率1・21。だが、第5代表決定戦では完投したものの1-2でサヨナラ負け。「甘い球を続けてしまった」と悔いを残した。

     奈良・天理高で甲子園に3回出場し、同志社大では通算25勝。入社後は一時低迷したが、日本生命が「夏秋連覇」した3年前は救援を中心に活躍した。昨秋以降は「長いイニングの方が持ち味が出る」(日本生命・十河章浩監督)と先発に回った。リリーフエースとして数々のピンチをくぐり抜けてきた経験と自信から、他チームに研究される中でも落ち着いて打者の狙いを外す。「チームに流れを呼び込む投球をしたい」。目指すは自身2度目の黒獅子旗だ。【石川裕士】

    田中允信外野手=佐野優撮影

    いぶし銀の守備力 大津町・ホンダ熊本 田中允信外野手(31)=JR九州から

     8年ぶりに本大会出場を逃した昨年の雪辱を期す思いは強かったが、自身のチームでは代表の座を取り戻せなかった。「現実は現実」と受け入れようとしていた矢先に自身初の補強に選ばれた。

     入社10年目を迎えても俊足や強肩を生かした守備力は健在だ。さらに2次予選では、主に下位打線ながら20打数8安打、4割の高打率をマーク。だが沖縄電力に敗れた準決勝は、二回2死満塁の先制機で遊ゴロに倒れ「一本出れば流れが来ていた」と悔やむ。敗者復活戦2試合でも1安打ずつ放ったが、及ばなかった。

     新人だった2009年に日本選手権優勝。翌年の都市対抗では準優勝し、準々決勝の九回1死二、三塁から味方のスクイズ空振りにも、サヨナラ本盗を決めた。同年の日本選手権でも準優勝を経験し、大津町・ホンダ熊本の岡野武志監督は「野球をよく知っている」。守備範囲の広さや犠打といったプレー面だけでなく、経験値にも期待を寄せる。

     「代打や守備固めでも、JR九州でやっているプレーをしたい」。昨年、6年ぶりに本大会で白星を挙げ、さらなる躍進を目指す若いチームにとって、いぶし銀のベテランの存在は頼もしい限りだ。【佐野優】

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