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第89回都市対抗野球

NTT東、連覇へ一丸 13日開幕試合 東邦ガスと対戦

前回大会で36年ぶり2度目の優勝を決め、喜ぶ東京都・NTT東日本の選手たち=東京ドームで昨年7月25日、藤井達也撮影

 第89回都市対抗野球大会(毎日新聞社、日本野球連盟主催)で東京都・NTT東日本が史上6チーム目(7回目)の大会連覇に挑む。前回大会は前身の電電東京以来、36年ぶり2度目の頂点に立ったNTT東日本。今大会は推薦出場で13日の開幕試合(午後6時半開始、東京ドーム)に登場し、東海第3代表の名古屋市・東邦ガスと対戦する。【平本泰章】

    今年も攻めの姿勢

     6月17日の組み合わせ抽選会後、飯塚智広監督は「やっと相手が決まり、ぼやけていた進むべき道が見えてきた」と気を引き締めた。NTT東日本打線が東邦ガスのエース右腕・小椋をどう攻略するかが見どころになる。

     昨年の本大会で36年ぶり2回目の優勝を果たし、オフに米国ロサンゼルスでランニング合宿を張り、ここまで充実した時間を過ごしてきた。春先の日本野球連盟(JABA)大会は、4月の四国大会と日立市長杯で4強入りした。それでも、飯塚監督は「一球へのこだわりが薄くなったというか、どこか緩んだ雰囲気がずっとあった」と振り返る。

     だが、試合が雨天中止になった日立市長杯の期間中、宿舎でグループ討論したことがチームに変化をもたらした。レギュラー、控えといったパートごとに「得点圏の打席」をテーマに話し合わせると、それまで物静かだった若手選手らも積極的に意見を述べ、約2時間にわたって会話が途切れなかったという。

     「互いの考え方を知ったことで、試合中の声のかけ方や、試合後の反省の仕方が変わってきた。いい兆候だと思った」と飯塚監督。今年は推薦出場で予選がないため、本大会前の最後の公式戦になった5月のJABA北海道兼東北大会は、「絶対に優勝」と目標を掲げて臨み、見事に実現させた。飯塚監督は「思いのほか北海道兼東北大会で一つになれた。これを生かすことが大事」と力を込める。

     チームの戦力は昨年同様、充実している。投手陣は、前回大会で若獅子賞(新人賞)を受賞した右腕・堀がエースに成長した。11年目のベテラン右腕・大竹に加え、4年目の左腕・沼田も安定感が増してきた。昨年の本大会中に右肘を疲労骨折した末永も、長いリハビリを経て北海道兼東北大会で復帰し、「感覚のずれはあるが、本大会には間に合うと思う」。投手起用の幅を広げる存在になりそうだ。

     投手をリードする捕手は、コーチ兼任のベテラン上田が健在だ。JABA大会で2年目の高橋、新人の保坂も経験を積んだ。安定感では上田に一日の長があるが、飯塚監督は「無難を選ぶとチームが活性化しないので、チャレンジしていくことも頭にある」。本大会では若手が抜てきされる可能性も十分にある。

     打線は、主将に就任した喜納と越前の4、5番は今季も不動で中軸に不安がないだけに、前後を固める下川、宮内、伊藤といった選手たちがいかに力を発揮するか。昨年は最優秀選手に贈られる橋戸賞と首位打者賞に輝いた福田周平(現オリックス)のプロ入りで空いた遊撃は、堅実な守備の新人・丸山と、俊足の2年目・阿部が激しい争いを繰り広げ、チームを活性化させている。

     前回大会では、決して足が速くない喜納や越前が三盗を成功させたように、勝負どころで積極的に仕掛けて勝ち上がった。飯塚監督は言う。「2年連続で優勝したら『受けて立つ』かもしれないけれど、1回ならまぐれでも勝てる。今年が勝負だと思っている」。今年のスローガンも昨年と同じ「アタック&チャレンジ」。攻めの姿勢を貫いて再び32チームの頂点を目指す。

    主将の重責気負いなく 喜納淳弥内野手(25)

    前回大会、神戸市・高砂市・三菱重工神戸・高砂との1回戦で一回に中前適時打を放った喜納。この大会、打撃賞を獲得した=東京ドームで昨年7月17日、渡部直樹撮影

     今季は新たに主将の重責を担う。「予選の重圧を経験しない分、主将としてはやりやすい」。不動の4番打者でもあるチームの顔に、気負いはない。

     「1人で野球を変えることはできないが、自分の取り組む姿勢でチームをいい方向にもっていくことはできる」が信条だ。練習から一切妥協せず、ひたむきに取り組む背中でチームをけん引する。「人間性にほれ込んで採用し、入社2年目から主将にしようと思っていたぐらい。たとえ彼がエラーをしても、文句を言う人は一人もいない」と飯塚監督から絶大な信頼を寄せられている。

     入社3年目の昨季、6番だった2次予選は打率2割と低迷したものの、4番を任された本大会では打率4割5分をマークして打撃賞を獲得した。川崎市・東芝との準決勝では、同点の九回1死二塁から三盗を決めて、その後のサヨナラ勝ちを呼び込んだ。「チームが大切にする『リスクを背負ってでも攻め続ける』という姿勢を体現できた」と力を込める。

     連覇がかかる本大会でも、攻める姿勢が鍵を握ると見ている。「JABA大会すべてで優勝するようなチームなら別だが、うちにその力はない。受け身にならない集団でいないと負けてしまう」。先頭に立ってチャレンジャー精神を貫く覚悟だ。

    エースとして原動力に 堀誠投手(23)

    前回大会準決勝、川崎市・東芝戦で先発した東京都・NTT東日本の堀=東京ドームで昨年7月24日、森園道子撮影

     投手陣では西村天裕(現日本ハム)、渡辺啓太(現ロッテ)の2人がプロ入りした。入社2年目の右腕は「その穴を埋めるためにも、責任を持ってやらないといけないと強く思っている」とエースの役割を自覚する。

     186センチの長身から投げ下ろす直球は140キロ台後半。カーブ、スライダー、チェンジアップ、ツーシーム、カットボールと多彩な変化球も制球よく投げ分ける。昨年の本大会では2試合に先発し、計11回3分の1を2失点。若獅子賞を獲得した。11~12月に台湾で行われたアジアウインターベースボールリーグにも社会人選抜の一員として、国際舞台も経験した。

     昨年の都市対抗、日本選手権ではともに完投がなかっただけに、「オフは完投、完封を念頭に置いて取り組んだ」。投げ込みで重点を置いたのは「自分の限界を探りながら、どうすれば球威を落とさず120~130球を投げ切れるか」だ。3月の東京都春季企業大会では、鷺宮製作所との準決勝で社会人初完封勝利を挙げ、確かな手応えをつかんだ。

     自身2度目の本大会に向け、「個人としての目標は3勝。1回戦、準々決勝、決勝は1人で投げて勝つ」。新人だった昨年は「先輩についていくのに必死だった」が、今年は自らが優勝の原動力になる。


    東京都・NTT東日本メンバー

    部長 星野理彰 52

    副部長 小林博文 47

    監督(44) 飯塚智広 42 亜大

    コーチ(54) 安田武一 49 日本学園高

    コーチ(39) 平野宏 40 国士舘大

    コーチ(31) 梶岡千晃 34 中大

    コーチ兼捕手(9) 上田祐介 34 日大 176 81 右右

    マネジャー 宮原章 32 日大

    投手 (11) 加美山晃士朗 27 帝京大      177 70 左左

       (12) 大竹飛鳥   33 関東学院大    173 79 右右

       (13) 沼田優雅   25 立正大      172 77 左左

       (14) 武内頌太   23 国士舘大     184 89 左左

       (15) 福田龍太   24 専大       181 91 右右

       (16) 末永彰吾   31 帝京大      173 62 右右

       (17) 堀誠     23 立正大      186 83 右右

       (18)○熊谷拓也   23 法大       180 85 右右

       (19)○小又圭甫   23 国学大      182 85 右右

       (21) 森山一茂   29 東北福祉大    178 80 左左

    捕手 (27) 高橋亮介   24 駒大       174 75 右右

       (29)○保坂淳介   22 中大       180 88 右右

    内野手 (0)○丸山雅史   23 国士舘大     172 70 右右

        (1) 下川知弥   25 駒大       174 73 右左

        (2) 宮内和也   24 明大       170 69 右右

        (3) 矢島健吾   29 仙台大      181 78 右左

        (7) 阿部健太郎  24 東洋大      177 82 右左

       (10)◎喜納淳弥   25 桐蔭横浜大    174 80 右左

       (23) 池沢佑介   25 東農大オホーツク 171 73 右右

       (28) 二十八貴大  26 中大       175 86 左左

    外野手 (4) 黒川将貴   26 東洋大      181 78 右左

        (5) 目黒聡    32 上武大      165 64 右左

        (8) 伊藤亮太   28 上武大      187 85 右左

       (24) 越前一樹   29 立正大      180 78 右右

       (25) 桝沢怜    24 亜大       181 90 右右

       (30) 高野翔    26 流通経大     173 74 右右

       (33) 長沢壮徒   23 上武大      184 96 右右

       (34) 北道貢    36 駒大       180 73 右左

     ※カッコ内数字は背番号。◎は主将、○は新人。名前、開幕日現在の年齢、出身校、身長(センチ)、体重(キロ)、投打の右左。


    第88回都市対抗野球大会 東京都・NTT東日本の優勝までの軌跡

    1回戦   7-5 神戸市・高砂市・三菱重工神戸・高砂

    2回戦   6-3 豊田市・トヨタ自動車

    準々決勝  6-5 東海市・新日鉄住金東海REX

    準決勝   1-0 川崎市・東芝

    決勝   10-4 さいたま市・日本通運

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