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かずさマジックのコーチ兼マネジャー、沖崎さん勇退 「戦いの舞台に立てる幸せ」後輩に伝え

市民応援団や企業関係者の前で勇退のあいさつをする沖崎さん=千葉県君津市で

 社会人野球の新日鉄住金かずさマジック(現・日本製鉄かずさマジック)=千葉県君津市=でコーチ兼マネジャーとしてチームを支えてきた沖崎健史さん(33)が3月末に勇退した。「野球ができることは当たり前ではない」。地域や会社の代表として戦いの舞台に立てる幸せを選手たちにそう伝えてきた。【円谷美晶】

     新潟県出身。山梨学院大付高(甲府市)から国際武道大(勝浦市)に進み、2008年にかずさマジックに加入した。強肩・強打を生かして外野手として活躍したが、12年2月、練習中に利き腕の右腕を骨折。同年11月、鈴木秀範監督から「来季の戦力とは考えていない」と告げられ、同時にマネジャーを打診された。

     社会人野球のマネジャーは会社や地域との渉外役となるチームの「顔」。予算管理や宿泊先の手配など多忙を極める役回りだ。

     「自分にできるわけがない」。そう思い2度断ったが、背中を押したのは妻しおりさん(33)の一言だった。「やったら人生のプラスになるんじゃない」

     当初はうまく仕事をこなせず、自分を情けなく感じる日々が続いた。マネジャー1年目にチームは都市対抗4強、日本選手権で初優勝と躍進。スーツ姿でベンチから見る選手は、まぶしかった。

     マネジャー3年目。仕事にやりがいを見い出すようになったころ、コーチ兼任となった。再びユニホームに袖を通し、試合前のノックや三塁コーチャーを任された。「勝負を左右する重要な仕事」と、マネジャー業務の合間に勉強し、夜の球場で納得いくまでノックを打つ練習をした。

     「練習の1球、試合の1打席。それが最後になるかもしれないと思ったら、手を抜けないはずだ」。選手として勝負の舞台に立てる瞬間がどれほど貴重か。戦力外通告を受けた経験のある自分だからこそ伝えられることがある。自分と同じように志半ばで引退を余儀なくされた後輩たちを見送る度に、その思いを強くしていった。

     18年にはコーチ専任となった。だが春先の公式戦で敗戦が続いた。「選手が力を出し切り、勝つために自分は何ができているのか」。責任感とプレッシャーからか顔の右側が動かなくなった。顔面神経痛だった。それだけに6月の都市対抗南関東予選でチームが本戦出場を決めた瞬間は喜びと安堵(あんど)感でいっぱいだった。

     3月25日に君津市内であったかずさマジックの総会で、11年間ともに過ごした鈴木監督から「何度も苦しみ、悩む姿を見てきた。立派にやりきった」とねぎらわれた。チームのために何ができたのか、何が残せたのか、今はわからない。それでも沖崎さんはあいさつで後輩たちに思いを伝えた。「日本一の野球選手を目指して、頑張ってください」

     今月から日本製鉄関連会社で仕事に励む。野球からもらった喜びも苦しみも糧に、全力で挑むつもりだ。

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