<社会人野球の現在地(いま)>
社会人野球の都市対抗野球大会は今年で90回の節目を迎える。会社の業績や経済情勢の影響を受けながら、活動を続けてきた企業スポーツ。困難を乗り越えたり、時代とともに変化したりする社会人チームを追った。
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OBと思われる観客による東芝の社歌が試合前に響き渡った。平日の3月13日、埼玉・岩槻川通球場で行われたJABA東京スポニチ大会予選リーグでの一コマだ。東芝のスポーツチームを運営するスポーツ推進室の荒木雅己室長(59)は「野球部を応援するのは東芝の根強い文化なのです」と語る。
1958年創部で川崎市を拠点とし、都市対抗歴代2位の優勝7回を誇る。一方で、東芝のスポーツチームは企業の宿命とも言える、経営問題の波にさらされてきた。長引く不況で90年代後半にサッカー、女子のバレーボール、バスケットボールの各部を手放す。野球部も99年、落合博満元中日監督が所属した東芝府中を統合した。
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