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「美しい」と評判のヤマハ応援団の演奏に迫る 社会人野球日本選手権

美しい音を披露したヤマハの吹奏楽団=大阪市の京セラドーム大阪で2019年10月31日午後8時7分、石井尚撮影

 京セラドーム大阪(大阪市)で開催中の第45回社会人野球日本選手権大会。試合を盛り上げる応援に、吹奏楽の演奏は欠かせない。高校野球では習志野高校(千葉)の大音量の演奏が有名だが、創立から半世紀を超えるヤマハ(静岡)の吹奏楽団は“美音”で選手たちを鼓舞する。そのレベルの高さはネットなどでも評判だ。31日の2回戦、王子(愛知)戦のスタンドを取材し、楽器メーカーの看板を背負う吹奏楽団の魅力に迫った。【石井尚】

 ヤマハの応援に駆けつけるのは1961年に結成された「ヤマハ吹奏楽団」のメンバー。ヤマハグループの従業員ら約70人で構成され、週2回、仕事を終えた後に練習している。全日本吹奏楽コンクールで金賞34回獲得の名門で、浜松市で定期演奏会を開くほか、海外公演などもこなすアマチュアバンドだ。団員の中には、実際に楽器の製造に携わる社員もいるという。

華麗なスティックさばきで演奏する打楽器奏者=大阪市の京セラドーム大阪で2019年10月31日午後7時24分、石井尚撮影

 社会人野球の応援は、スピーカーを使ったキーボードやベースの演奏やドラムセットを設置するチームが一般的だ。ヤマハは、試合が平日の場合、ベース奏者が仕事で参加できないため、キーボード奏者がベース音を鳴らす。ヤマハのドラマーは手数の多いスティックさばきで、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)上などで「ヤマハドラムニキ」(ニキはネット用語で兄貴の略。尊称として使われることが多い)と話題に上がる。

メロディーラインを吹くトランペット奏者=大阪市の京セラドーム大阪で2019年10月31日午後6時35分、石井尚撮影

 日本選手権では、吹奏楽団のメンバーは60人以内と規定されている。指揮者の野尻竜章さん(55)は「トランペットやトロンボーンを多くしている」と編成面で工夫している。

 球場ごとのポイントもあるという。東京ドームの場合、ドラムを楽団の後ろに設置できるため、管楽器を演奏する団員らがリズムを合わせやすい。一方、京セラドーム大阪の場合、ドラムが楽団の前に置かれるため、「スピーカーから流れるベース音を少し大きめにして、リズムを取りやすいようにしている」という。

 31日午後6時プレーボールの王子戦は平日開催のため参集が難しく、30人の小ぶりな編成に。現役の吹奏楽団は7人だけで、残りはOBらが助っ人参戦した。内訳はトランペット7人▽トロンボーン5人▽木管楽器6人▽ホルン5人▽ユーフォニアム1人▽キーボード1人▽スーザフォン1人▽打楽器4人――だ。

 ヤマハ打線は初回から好調で、あっという間に先制。吹奏楽団も30人とは思えないほどの迫力で、美しくて張りのある音を響かせ、応援のボルテージを一気に上昇させた。ドラムセットのスネアの皮が破れてしまうハプニングも起こったが、すぐに別のスネアと交換。打楽器担当者が急いで皮を張り替え、「さすが楽器メーカー」とうならせるシーンもあった。

中音域を支えるホルン奏者=大阪市の京セラドーム大阪で2019年10月31日午後7時19分、石井尚撮影

 普段のコンサートホールでの演奏とは違う環境にホルン奏者の鈴木浩行さん(48)は「気持ちいいし、楽しい」と笑顔を見せる。クラリネット奏者の佐竹雅彦さん(32)は「ずっとフォルティッシモ(とても強く)で吹き続けている。疲れることもある」と本音も。楽器メーカーの看板を背負っていることについて、打楽器奏者の金村幸一さん(40)は「吹奏楽だけでも相手に負けないようにしないと。美しい音で応援したい」と胸を張る。

 試合はヤマハが7―3で勝利。矢幡勇人主将(29)は試合後、「相手チームに自慢したくなる吹奏楽団。力になっている」と感謝の言葉を口にした。次戦は11月2日に予定されている準々決勝。野尻さんは「次は土曜日で、楽団員も増える。観客も巻き込んで応援したい」と意気込みを見せた。

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