アート・書

巨大ドラゴン出現！「コロナ禍の気持ち明るく」アパート壁画　／沖縄

　【浦添】沖縄県浦添市宮城にあるアパートに、このほど高さ約13メートル、幅約6メートルの巨大な壁画が完成した。描かれているのは、ウッドベースを弾き鳴らすチャーミングなピンクのドラゴンだ。アパートの大家・翁長りえさんが豊見城市にあるデザイン事務所「デコール」の瑞慶山成人さん、南風亜矢子さん夫妻に依頼し

「京まふ」9月開催の運営費300万円募る　コロナ禍で資金難

　西日本最大級のマンガ・アニメイベント「京都国際マンガ・アニメフェア（京まふ）」が、クラウドファンディング（CF）で資金を募っている。新型コロナウイルス禍で来場者が減少しており、9月に開催予定のフェアに向けて300万円を集めるのが目標。　京まふは、新たな観光イベント創出を狙って、京都市などが2012

兎は薄氷に駆ける

／30　貴志祐介　画　サイトウマスミ

　　　　　　　　3「どうだ？　悪いことは言わん。いいかげん、何もかも話して楽になったら？」　松根刑事が、日高英之の耳元でささやく。「……黙秘します」　英之は、弱々しくつぶやいた。「黙秘ねえ？　あの弁護士に、そうしろって言われたのか？　だがなあ、黙秘してても、いいことは何もないんだよ」　松根は、せせら

アートの扉

工藤麻紀子　空気に生まれかわる　色がつむぐ物語

　右の方から街が照らされていく。手前にはまだ陰が残っている。夜が明ける瞬間だろうか。宙を行き交う、少し透けた人や動物。家々ではどんな生活が営まれているのか。想像が膨らむ。　工藤さんが描く風景に、ある人は見覚えがあったり、子どもの頃の記憶が喚起されたりするかもしれない。郊外の住宅、調整池の茂み、体育館

美とあそぶ

田中道子さん／1　自分の支えになる絵を

　幼い頃から絵を描くのは好きでした。小中学生の頃はゲームなどファンタジーの世界に憧れていました。デザインを学んでゲームデザイナーになろうと思い、地元の大学の空間造形学科に進学しました。ですが、そこは建築を学ぶ学科でした。次第にその面白さにのめり込み、2級建築士の資格を取得。建築関係の会社に就職しよう

戦後77年の表現者たち

／1　滝口悠生さん（作家）　硫黄島、交錯する人と時空

　硫黄島（東京都小笠原村）は、第二次世界大戦末期に日米両軍が激突した場所。滝口悠生さん（39）＝写真＝の新作『水平線』の舞台だ。島にとどまり命を奪われた島民。そして本土に疎開した島民。それら第1世代の人々と、それに連なる現代の若者たち、第3世代が時空を超えて交差する。　　　■　　■　滝口さんは198

寄稿

第9回世界考古学会議の問いかけ　戦争にどう立ち向かうか＝佐々木泰造（元毎日新聞専門編集委員）

　コロナ禍で2年延期された世界考古学会議（WAC）の第9回世界大会が7月3～8日、チェコのプラハで開かれた。ロシアのウクライナ侵攻による被害が拡大する中、考古学者が戦争にどう立ち向かうべきかが問われる大会となった。　世界大会は原則として4年に1回開かれる。第8回京都大会から4年後の2020年に開催す

特攻隊テーマ　2作品集刊行　写真家・安島太佳由さん

　日本の戦争の痕跡を記録し続ける写真家、安島太佳由（たかよし）さんの作品集『楠公精神と回天特攻隊』『上原良司と特攻隊　改訂版』＝写真＝が自費出版で刊行された。　鎌倉時代末～南北朝時代の武将楠木正成は、後醍醐天皇を奉じて挙兵、鎌倉幕府打倒に貢献した。その後は後醍醐に背いた足利尊氏らと戦い敗死した。しか

クリップ

展覧会　相原求一朗展　アンコールほか

　■相原求一朗展　アンコール　9月4日まで、埼玉県川越市郭町2の市立美術館（049・228・8080）。2020年度に企画されたが、新型コロナウイルス感染拡大で実現できなかった本展を改めて公開。同市に拠点を置きながら北海道を毎年のように訪れ、叙情的な風景画を描いた相原求一朗（1918～99年）。相原

1969年「ハンパク」　見直し始まるカウンターカルチャーの祭典

　「ハンパク」という言葉を聞いたことがあるだろうか。1960～70年代を知る人なら、懐かしく思い出すかもしれない。大阪万博を翌年に控えた69年8月、市民らの手で反戦・カウンターカルチャーの祭典が開かれた。ベトナム反戦運動に取り組む若者らの発案から始まり、炎天下の大阪城公園に5日間で延べ数万人が集まっ

絵画、写真など40センチ四方に「小さな世界」　作家ら139点出品　島根・浜田で作品展　／島根

　40センチ四方に収まる作品を集めた「第9回小さな世界展」が島根県浜田市三隅町古市場の市立石正美術館で開かれている。28日まで。　県内外の作家80人と1団体が出品。絵画や写真、陶芸や貝殻などの立体作品などバラエティーに富んだ139点が来場者を楽しませている。子どもたちの絵画を見ていた益田市栄町の小野

縄文の耶馬渓、暮らしを思う　枌洞穴の出土品など資料112点　21日まで、中津市歴史博物館で企画展　／大分

　約半世紀前に見つかった中津市本耶馬渓町の遺跡と、そこに葬られた人たちを112点の資料から考える企画展「枌（へぎ）洞穴と縄文の人生」が、中津市歴史博物館で開かれている。耶馬渓が国の名勝に指定されて2023年3月で100年となるのを記念する「大耶馬渓博覧会」の第2弾で、21日まで。　枌洞穴は入り口の幅

李白湖さん教室、生徒の力作650点　書道展、あすまで　草津　／滋賀

　今年の第73回毎日書道展で、グランプリにあたる会員賞を受賞した李白湖さん（35）＝草津市＝が開く書道教室の生徒作品展が、ショッピングモール「エイスクエア」（同市西渋川1）のギャラリー「エイプレイス」で開かれている。16日まで。　4歳から70歳代までの約100人による力作約650点が並ぶ。書き初めの

毎日書道展東海展　「秀作賞」喜びの声　／岐阜

　第73回毎日書道展（毎日新聞社、毎日書道会主催）の東海展が11月8～13日、名古屋市東区の愛知県美術館ギャラリーで開かれる。同展には県内から「秀作賞」に選ばれた3人の作品も展示される。受賞の喜びや書への思いを聞いた。（敬称略）　◇心・技の向上に励む　＜漢字Ⅰ類＞森政子さん（71）＝羽島市　前回に続

長良川薪能　小中学生、小鼓の稽古　前座「連調」　26日に出演　／岐阜

　岐阜市の長良川河川敷で26日に開催される「第35回長良川薪能（たきぎのう）」（実行委など主催）で、小鼓で出演する小中学生が稽古（けいこ）に取り組んでいる。　長良川薪能は金華山と岐阜城を背景に、岐阜グランドホテル前（岐阜市長良）に設けられた特設舞台にかがり火をたいて演じられる夏の恒例行事。新型コロナ

光を紡ぐ

石井勢津子のホログラフィ・アート　作品紹介／5止　三次元像のコラージュ　／福岡

　◇「Self―Portrait　2013」2015年　羽毛や紙吹雪、風船などが浮かび上がる空間に時折、ポーズの異なる人物像が見え隠れする。本作は、石井がアートグラント受賞後にアメリカで制作をした近作である。約20枚のカットがひとつのホログラムに収められている様は、さながら三次元像のコラージュである

15世紀の琉球鐘、技術交流　豊前小倉の鋳物師が製作か　手がけた壱岐の寺の梵鐘と「竜頭」酷似　／福岡

　◇「芦屋釜の里」新郷学芸員研究　15世紀に琉球王国の尚（しょう）泰久（たいきゅう）王の命で鋳造された「旧首里城正殿鐘」（万国津梁（しんりょう）の鐘）＝国指定重要文化財＝など琉球鐘の多くが、本土から琉球に渡った豊前の小倉系鋳物師（いもじ）によって製作されたとみられることが、芦屋町営文化施設「芦屋釜の

筆致で空間を表現　現代美術家・中村さん絵画個展　朝倉で　／福岡

　福岡市博多区在住の現代美術家、中村公泰さん（48）の絵画個展「AIRPORT」が朝倉市牛鶴の「gallery　cobaco」（ギャラリーコバコ）で開かれている。無料、21日まで（火・水曜は店休日）。　中村さんは長崎県生まれで英国の芸術大大学院を卒業。久留米大付設中学・高校、九州産業大の講師を務め、

新たな鋳損じ銭出土　山口市の周防鋳銭司跡　銭貨鋳造を裏付け　平安前期「饒益神宝」は全国初　／山口

　国指定史跡「周防鋳銭司跡（すおうのじゅせんしあと）」（山口市鋳銭司）から、皇朝十二銭の一つ「饒益神宝（にょうやくしんぽう）」の鋳損（いそん）じ銭が出土したと、同史跡を共同で発掘調査している山口大と山口市教委が発表した。出土により、同大などは「この史跡が当時の銭貨鋳造所、現代の造幣局に当たることが考

室町の兄妹・流れ公方と忘れられた尼

／33　戦争被害者の女性たち　絶望下の「ばあやの死」　／京都

　日本史上最大級のクーデターとされる1493年の「明応の政変」は、女性たちをいや応なく戦乱に巻き込んだ。河内（大阪府）遠征中だった十代将軍足利義稙（よしたね）は、権力の座から引きずり降ろされた。京都にいた当時25歳の妹・曇華院（どんげいん）主聖寿は衣装を剥（は）ぎ取られた状態でさまよい歩いたと、記録