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憲法秘密会議事録公開

衆院 速記録を公開−−9条の「芦田修正」、平和求め自発的に

新憲法が衆院本会議を起立多数で通過、貴族院へ送られた=衆院本会議場で1946年8月24日

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戦力保持に余地残すため、のちに意図変更か−−芦田元首相

 衆院は1995年9月29日、現憲法制定にあたり秘密懇談会形式で案文を修正した「帝国憲法改正案委員小委員会」(1946年、芦田均委員長。通称・芦田小委員会)の速記録を49年ぶりに公開した。政府原案の9条第2項の冒頭に「前項の目的を達するため」との文言を挿入した「芦田修正」について、芦田元首相は後に「自衛のための戦力保持は放棄していないと解釈する余地を残す意図からだ」と主張したが、小委員会では日本国民が自ら平和を求める自発性を強調する意図から修正されており、立法当時は芦田氏が後に主張したような意図ではなかったことが明確になった。速記録は48年に衆院が英訳して連合国軍総司令部(GHQ)に提出したが、この英訳ではマッカーサー連合国軍最高司令官らの改正への関与を裏付ける発言や、将来の自衛戦力保持に含みを残したとも受け取れる金森徳次郎国務相(憲法担当)の発言などが削除されていた。

 公開は衆院議院運営委員会が6月に決めた帝国議会時代の衆院秘密会議事録公開の第一弾。46年6月、政府はGHQ案を大筋で受け入れた帝国憲法改正案を第90回帝国議会に提出。衆院は本会議と帝国憲法改正案委員会での審議を経て、各会派代表14人で構成する小委員会を設置、7月25日から8月20日にかけて13回の会合で各会派が提出した修正案を審議、共同修正案にまとめた。

 速記録によると、9条について芦田委員長は政府案の第1項と第2項の順番を入れ替え、非武装をより明確に打ち出す試案を提案。保守政党代表も賛成したが、社会党委員が入れ替えに疑問を提起、結果的に政府案の第2項冒頭に「前項の目的を達成するため」などの文言が挿入された。

 これについて芦田委員長は小委で、日本国民の自発性を強調するため第1項に挿入された「日本国民は正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し」の繰り返しを避けるためと説明していた。

 9条をめぐる憲法論争の中で、自衛戦力合憲論の根拠の一つとされてきた「芦田修正」は、その意図をめぐりさまざまな憶測を呼んでいた。

国務相の発言、英訳では削除

 一方、小委の審議内容は48年、GHQの指示で衆院が英訳して提出。米公文書館で公開され、その日本語訳も刊行されていたが、今回公開された速記録と比較した結果、41カ所にわたって英訳の際に削除されていたことが分かった。衆院事務局は「当時のプレスコードによって一部削除したとの記録が残っている」と説明。削除された部分には、金森国務相が9条1項では「永久に放棄する」としているのに第2項では「永久」の言葉を使っていないと指摘し、「将来、国際連合などとの関係において、第二項の戦力保持などということについてはいろいろ考えるべき点が残っているのではないか」と述べた発言が含まれている。

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