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ストーリー

蜷川幸雄77歳、イスラエル公演 時代と共に闘う演出家

俳優たちは高揚した。蜷川も思わず笑みを浮かべた=イスラエルの「カメリ・シアター」で2012年12月29日、濱田元子撮影

 ◆武力衝突直後、響き合う「トロイア」

 蜷川幸雄(77)が手がけた「トロイアの女たち」のイスラエル公演。前評判は高く、1月5日までの計8公演はすべて完売が伝えられていた。

 初日の昨年12月29日午後8時半、舞台一面に歌舞伎で海の波を表現する「浪布(なみぬの)」がさざめいた。波間から現れたたくましいポセイドンの朗々としたアラビア語が響き、女神アテナがヘブライ語で語りかける。幕が振り落とされ、白石加代子が日本語で演じるトロイア王妃へカベの悲嘆が、地の底から湧き上がった。

 そのへカベに、コロス(合唱隊)が呼応する。日本語、ヘブライ語、アラビア語が5人ずつ計15人。ギリシャに敗れ、奴隷となって祖国トロイアを追われていくトロイアの女たちだ。それぞれの母語で3回ずつ繰り返されるコロスのせりふが、波のように押し寄せた。芝居に中心となる言語はなく、三つの言語が対峙(たいじ)しながら、響き合った。「戦争の悲惨さ」「他者との共存」というテーマは際立った。舞台上方には英語とアラビ…

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