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大衆作家・ガルシア・マルケス

天衣無縫 虚実からどこまでも自由な語り部

 <「ゆうべ、手紙を待ってる夢をみたよ」……「何曜日の夢だった?」「木曜日さ」「だったら悪い報(しら)せよ」……「でも、その手紙は絶対に来ないわ」>。ガルシア=マルケスの中編「無垢なるエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語」(78年)の冒頭に現れる、祖母と孫娘の夢語り。カリブ沿岸に暮らすワユ族の間ではごく日常のものだ。

 孫娘は屋敷を燃やしたかどで、祖母に連れられ体を売り歩く。テント小屋に連なる男たちの行列が町を貫き、オレンジの中からダイヤが現れ、触ると青く染まるガラス、祖母から流れ出る緑色の血……。虚実入り交じった物語は海外で「魔術的リアリズム」と呼ばれたが、作家を育んだコロンビア北部の現実に根ざしたものだ。語る中身より、リズム、ユーモア、言葉の過剰さが好まれるカリブ海沿岸の「語り部」であった。

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