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旧ソ連を歩いて

(7)マレーシア航空機撃墜現場にて

撃墜されたマレーシア航空機の破片に供えられた花とクマのぬいぐるみ=ウクライナ東部ドネツク州グラボボ村で2014年7月19日午前、真野森作撮影

 青、白、黄色と小さな野の花が咲き乱れる草むらに、その若い男性はあおむけに横たわっていた。万歳するように両手を上げ、目は閉じ、口は半開きに。ほとんど無傷で、どこか遠い場所で眠っているように見えた。

 マレーシア航空機墜落現場で、私は機体の残骸だけでなく数々の乗客の遺体を目にした。記述するにはあまりにむごい光景だった。ただ、亡くなったこの男性の姿から「永遠に解けない謎」を受け取ったような気がした。

 撃墜による死は一瞬だったのだろうか。それとも、地上へと落ちていく際に意識はあったのだろうか。穏やかに見える表情と、何かをつぶやくような口元。あなたは最後に何を伝えたかっただろう。あなたはどんな人生を送ってきたのだろう。

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残り2441文字(全文2749文字)

真野森作

1979年生まれ。2001年入社。北海道報道部、東京社会部などを経て、13~17年にモスクワ特派員。ウクライナ危機を現場取材した。20年4月からカイロ特派員として中東・北アフリカ諸国を担当。著書に「ルポ プーチンの戦争」(筑摩選書)がある。

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