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「のさり」と生きる 水俣

第2回 自転車から車椅子に

胎児性・小児性水俣病患者のケアホーム「おるげ・のあ」の落成式当日、受付で来賓を出迎える松永幸一郎さん(右)。自身は市内のアパートに独り暮らししている=熊本県水俣市で2014年7月、平野美紀撮影

 「公害の原点」とも呼ばれる水俣病。化学製品製造会社「チッソ」水俣工場(熊本県水俣市)が不知火海に流した排水中のメチル水銀が環境を汚染し、湾で取れた魚を食べた住民が神経を侵された。被害は、母親の胎内にいた赤ちゃんにも及んだ。「胎児性水俣病」の患者たちだ。

 1962年に、胎児性患者の存在が明らかになった。しかし、胎児性患者が何人いるのかは正確には分かっていない。そもそも行政は、胎児性患者と大人の患者を区分けして発表していないのだ。

 熊本大大学院生時代に胎児性患者の存在を突き止め、半世紀にわたって胎児性患者を多く診察した原田正純医師(2012年死去)は生前、死者を含め68人の胎児性患者を確認していた。原田さんが把握していない死産やごく初期の死亡を含めると、母胎内での被害者はさらに増えるだろう。

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