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「のさり」と生きる 水俣

第3回 迫りくる病と加齢

「ほっとはうす」は、水俣病患者の共同作業所。2階の作業スペースで、新聞紙を使ってエコバッグを作る。「それぞれができることを分担する」がルールだ=熊本県水俣市で2014年7月、平野美紀撮影

 胎児性・小児性水俣病患者が暮らすケアホーム「おるげ・のあ(おるげは方言で「私の家」)」は2014年春、熊本県水俣市に完成した。病院通いにも買い物にも便利な中心部にある。五つの居室は廊下でつながっているが、外観は小さな家が5軒並んでいるように見える。

 水俣病公式確認50年を機に発足した環境相の私的懇談会は「国は、被害者が高齢化しても安心して暮らすことのできる対策を積極的に推進すること。胎児性患者には格別の配慮が必要」と提言した。「おるげ・のあ」はその唯一の「成果」ともいえる。7月の落成式典で、施設長の加藤タケ子さん(63)は、「出来上がったのは部屋ではありません。家が5棟です」と説明した。

 化学物質を可能な限り排除して、日本古来の「木と紙の家」を目指した。杉の香りが心地よい。内装は入居者とも親しい建具職人、緒方正実さん(56)が腕を振るった。緒方さん自身、水俣病患者だ。4度も申請を棄却され、11年間の粘り強い訴えの末、2007年に認定を得た。市立水俣病資料館の「語り部の会」会長も務める。「自分より苦しんだ人たちに、自分はどう向き合えるのか」という思いで「おるげ・のあ」建設にかかわっ…

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