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漫画で解説

臨界って何?の巻

2人死亡、666人被ばくした事故も…原発では隠ぺいも発覚

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電次さんが善蔵さんに「臨界って知っているか?」と問いかけています。 善蔵さんは「あの世のことですか?」と、とんちんかんな答えをしていますが… 臨界とは、核分裂連鎖反応が安定的に続いている状態のこと。核分裂すると、熱エネルギーが生まれます。 中性子をコントロールできれば、熱エネルギーを安全に取り出せます。 原子力発電では、減速材や冷却剤、中性子を吸収する制御棒などを使って調節しています。
中性子の数をコントロールせず、爆発的に反応させたのが原子爆弾です。原子力発電も原子爆弾も原理は同じ。制御できなければ原子炉は暴走するのです。 さて、今回のテーマは「臨界事故」。意図していないのに臨界になってしまった事故のことです。 1999年9月30日、茨城県東海村の核燃料加工会社「ジェイ・シー・オー(JCO)」東海事業所で、ウラン溶液の混合作業中に臨界が発生しました。この影響で、10キロ圏内の住民には屋内退避勧告が出されました。 作業員2人が、効率を上げるためにバケツを使って大量の濃縮ウランを扱っていました。隣の部屋にいた別の作業員は「バシッ」という音を聞き、青い光を見たそうです。
青い光は「チェレンコフ光」と呼ばれるもの。 JCO事故で作業員2人は死亡し、周辺住民など666人が被ばくする惨事になりました。JCO東海事業所の元幹部らは責任を問われ、業務上過失致死罪などで執行猶予付きの有罪判決が確定しました。 実は臨界事故はこれ以外にも起きていたのです。 東北電力女川原発1号機では1998年、停止作業に入ったところ、操作ミスで再び臨界になってしまいました。 原子炉は緊急停止したのに、東北電力は「通常の停止だった」と事故を隠し、国や自治体に報告しなかったのです。 1999年には、停止中だった北陸電力志賀原発1号機で制御棒3本が抜け落ち、臨界になりました。緊急停止装置も15分間作動しませんでした。 この件でも、原発の所長は事故隠ぺいを指示していました。制御棒が抜け落ちる事故は、まだまだ他にもあったのです。
東日本大震災で大きな被害を受けた福島第1原発では、1978年に制御棒が脱落し、臨界事故が起きていた可能性が指摘されているのです。 しかし、公表はずっとずっと後の2007年でした。事故が起きた時にきちんと公表して原因究明を徹底的に行っていれば、その後の脱落事故は防ぐことができたかもしれません。 鹿児島県の川内(せんだい)原発1、2号機が新しい規制基準をクリアしました。 地元が同意すれば、早ければ2015年初めにも再稼働するようです。 しかし、電力業界の隠ぺい体質は、本当に変わったと言えるのでしょうか。

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