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キュートでミステリアス? しかし実態は貧困と無知の悲劇

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「魔女狩り」をご存じでしょうか。 英仏百年戦争のさなか、フランスに奇跡的な勝利をもたらした英雄ジャンヌ・ダルク。 実は彼女も、英国の政治的策略で魔女に仕立て上げられました。 フランス軍の大勝は「妖術を使ったからに違いない」と1431年5月30日、火あぶりの刑に処せられました。
「魔女狩り」は16~17世紀のルネサンス期が中心でした。 逮捕理由の証拠とされたのは「世間のうわさ」。 「ほうきの柄にまたがって空を飛んだか」と尋ね、答えなければ拷問。 たとえ自白しなくても「こんな拷問に耐えられるのは魔女だからだ」とされ、結局、火刑にされたのです。 疫病や天変地異が魔女の仕業とされ、処刑された人は数万人。 多くは、よそ者、貧しい人、年老いた人。世間の「お荷物」とされた社会的弱者が犠牲になりました。一方、裁いた側は教皇、国王、貴族などの知識人男性たちでした。 今でも「魔女狩り」の残る地域があります。 1999年、中米グアテマラ。「トウモロコシがネズミに食べ尽くされたのは魔女のせいだ」として、農民50人が18歳の女性を集団リンチしました。
2009年、西アフリカのガンビアでは、警察や軍が約1000人を強制連行しました。 ヤヒヤ・ジャメ大統領が「おばは魔女に殺された」と信じ、その命令によるものだったとされています。 東アフリカのタンザニアでも、2012年に630人、2013年には女性505人と男性も260人が「魔法を使った」として殺されました。 法律では取り締まれないのでしょうか? パプアニューギニア政府は1971年、法律で魔術を禁じましたが、それでも人口の8割はまだ信じているそうです。 どうして、こんな非科学的なことがまかり通るのでしょう? 理由は、貧困や無知など社会の矛盾の原因を弱者に押しつけるための口実に過ぎません。 その証拠に、犠牲になる人のほとんどは下層民です。
だからこそ、教育と貧困撲滅が大事なのです。 魔女が肯定的に受け止められているのは先進国だけ。 これは、1960年代にヒットしたアメリカのドラマ「奥さまは魔女」の影響が大きいかもしれません。 この人気を受けて、日本では1966年、初の少女向けアニメ「魔法使いサリー」が放映されました。 第2弾「ひみつのアッコちゃん」も登場。魔法少女ものは、女子の永遠の憧れにもなりました。

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