赤瀬川原平さん死去

赤瀬川さんの文体1

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 今年の春、転勤で東京に戻った私が会いに行くと、赤瀬川原平さんは寝たきりになっていた。普通ならそれきりなのに、どう情熱が働いたのか、以後、亡くなるまで50回もご自宅に通った。寝たきりでも、赤瀬川さんは赤瀬川さん。何か独特の温かさを発信していたからだ。「見舞い熱」に浮かされる中で、その魅力を知りたいと思った私は、鬼才が発してきた多くのジャンルの中でも最も好きな、彼の文章を考えたいと思った。以下は、東京ヘレンケラー協会発行「点字ジャーナル」の連載コラム「自分が変わること」の2014年6〜9月号に掲載した「赤瀬川さんの文体」(未完)の転載です。【藤原章生】

 作家の赤瀬川原平さん(77)の文体がここ数年ちょっと変わった。彼の持ち味は、誰もが見過ごしているような当たり前のことをとらえるときの独特な感性、日常の言葉一つとっても普通の人が気づかない受け止め方、かといって異常とまではいかない、ほどよい変(へん)さ、ほどよい偏りというか傾きで何事もとらえ、自分自身がその「変さ」によく気づいていない、つまり、わざとらしさや受けを狙ったところのない、自分の感性に正…

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